1mの定義とは?地球一周の長さや光の速さで決まっている?

巻き尺

長さの最も基本的な単位である1m。

普段の我々の生活でも、とてもなじみのある数字ですね。そこで気になるのが、1mの定義についてです。1mの長さとうものは、どうやって決まっているのでしょうか?

このページでは、そんな1mの定義についてお話していきます。

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1mの定義

まずは、国際的に決められている1mの定義から見ていきます。国際的な1mの定義は、下記の通りです。

メートルは、1 秒の 299792458 分の 1 の時間に光が真空中を伝わる行程の長さである.

引用元:wikipedia「メートル」

数字の桁が多すぎていまいち良く分かりません!そこで、1mの定義を分かりやすくいうとこんな感じになります。

1mの定義

光が真空中を1秒間で進む長さの3億分の1の長さ

1mは、光が真空中で1秒間に進む距離によって決まっていたのです!しかし、これでもまだピンと来ませんね。なぜこのような定義になったのか?なぜ光の速さなのか?なぜ約3憶分の1になったのか?気になることがまだまだたくさんあります。次の章では、それらの気になることをもうちょっと深くみていきたいと思います。

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なぜこのような定義になった!?

それではここから、なぜ1mがこのような定義になったのか、詳しくみていきます。

昔の1mの定義

まずは、昔の1mの定義についてです。フランスで1791年に一番初めの1mの定義が決められ、その当時はこのように決められていました。

地球の子午線全周長を4千万分の1にした長さ

引用元:wikipedia「メートル」

地球の子午線全周長とは、北極と南極を通って地球を一周する線のことです。つまり、地球一周の4万分の1の長さが、1mとして定義されました。図にすると、こんな感じです。

地球一周

子午線の他に赤道という案もあったようですが、フランスから遠いうえに海や熱帯地域が多く測りに行くのが難しいという理由で却下されました。地球の大きさがデカすぎてこれでもまだピンとこないところはありますが、今の定義の光が1秒間に進む速さの3憶分の1に比べたら、まだだいぶ分かりやすいですね!

ではなぜ、感覚的にしっくりとくるこの定義ではダメだったのでしょうか?それは地球の形状が完全な球形や楕円形ではなかったからです。技術が進歩してより正確な長さが求められるようになってくると、このようにわずかな地表の変化がある地球の長さを絶対的な基準にするのは良くないと考えられるようになりました。その新たな基準として、

  • 1869年~ メートル原器と呼ばれる1mの長さと定められた棒の長さ
  • 1889年~ 白金-イリジウム合金製原器の0℃ときの長さ(メートル原器の基準がより明確になった)
  • 1960年~ クリプトン86の光の波長の 1650763.73 倍(今の定義より分かりにくい!)

という3段階の歴史を通って、1983年、遂に現在の光の速さを基にした長さの定義が定められました。

 

光が得ればれた理由

次は、現在の1mの長さの定義に光が選ばれた理由についてです。光の速度から1mの定義を決めることに変更された理由は、下記の2点が大きな理由です。

  • 光の速さは、宇宙どこでも不変

アインシュタインの相対性理論によると、光の速さは宇宙のどこで誰がみても同じです。不思議なことでありますが、光源や観測者が例えどんな速度で移動していたとしても、光の速さは常に一定になるのです。しかも、どんな波長の光でも同じ速さなので、絶対的な基準としてピッタリでした。

  • セシウム原子の登場により、正確な1秒が定義された

これは少し意外ですが、光の速さで1mを定義できるようになったことに、正確な1秒が定義できるようになったことが関係しています。これは少し考えると分かりますが、光が1秒間に進む距離を知ろうとした場合、肝心の1秒の長さが曖昧だったらそちらの不確かさによって誤差が大きくなるからです。しかしこの大きな問題も、1967年にセシウム原子を使った1秒の正確な長さが定義されることにより、問題の無いものになりました。(ちなみに、1秒の定義についてはこちらのページで詳しくお話ししていますので、興味がある方はこちらを参照してください→1秒の定義とは?1秒の長さはどうやって決まっているの?

こうして、晴れて光の速さが現在の1mの定義として採用されました。

 

豆知識:相対性理論相対性理論とは、有名な物理学者、アインシュタインが発表した宇宙の理論です。とても難しくて難解な理論ですが、結果だけ書くと宇宙には下記のような法則があると述べられています。

  • 光の速さは常に一定
  • 光より速く移動することはできない
  • 速く動くと、時間が遅くなる
  • 重量が強くなると、空間が歪んで時間も遅くなる
  • 重さとエネルギーは同じ

などです。相対性理論はGPSなどの技術にも応用されており、実用的な面でみても現代の私たちの生活にはなくてはならないものになっています。

その倍数になった理由

最後は、なぜ光が1秒間に進む速度の「2億9979万2458 分の 1」というものすごく中途半端な数字になったのかについてです。このような中途半端な数値になったのは、「なるべくこれまでの1mに近い値になるようにするため」です。

光が1秒間に進む速さは、人間とは関係なく宇宙どこでも不変です。それならば、あとは我々人間が「光が1秒間に進む長さの何分の1を1mと定義するか?」が問題となってきます。そこで決められたのが、この「2億9979万2458 分の 1」という数値です。これが、1mの定義が中途半端な数字になっている理由です。

 

まとめ

以上が、1mの定義についてです。普段は全く気にすることなく長さを測ったりしていましたが、たった1mでもこれだけ奥が深いのですね。

これから長さをはかるときは、たまには1mの定義を思い出しながら測ってみてはいかがでしょうか?

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