1kgの定義とは?その歴史やどのくらいの重さかも含めて徹底解説!

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1kg。

重さの最も基本的な単位ですよね。

普段の我々の生活でも、とてもなじみのある数字です。日常生活でも、本当に良く出てくる単位の一つですよね。

そこで気になるのが、1kgの定義についてです。1kgの重さとうものは、どうやって決まっているのでしょうか?

このページではそんな1kgの定義を、過去の定義も含めて徹底解説しています。

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1kgの定義

まずは、国際的に決められている1kgの定義から見ていきます。国際的な1kgの定義は、下記の通りです。

キログラムは周波数が {(299 792 458)2/6.626 069 57}× 1034 ヘルツの光子のエネルギーに等価な質量である。

引用元:wikipedia「キログラム」

うむ、定義を見ただけでは何が何だかさっぱり分からないですね!なぜこの定義で1kgの重さが定義できるのかは、次の章で詳しくお伝えしようと思います。

そこで、感覚的に分かる1kgの重さを始めにお伝えしようと思います。

感覚的に分かる1kgの質量

水1リットルの質量

これなら、感覚的に非常に分かりやすいですね!1リットルは、1リットル用のペットボトルに入る水の量になります。それが1kgの質量になるので、とてもイメージしやすいです。

水1リットル

そして実は、1kgが初めて定義されたときはまさに「水1リットルの質量」だったのです。

こんなに分かりやすい定義だったのに、なぜ今はこんな見ただけではさっぱり分からない定義になってしまったのでしょうか?

それは、次の章で詳しく見ていくことにしましょう。

※ちなみに、水の重さについては別ページで詳しくお話していますので、良かったらこちらのページにも遊びに来てくださいね。

水の重さのイメージ
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現在と過去の定義の詳細

それではここからは、過去の1kgの定義も含め、1kgの定義がなぜこのようになったのか詳しく見ていきたいと思います!

1795年~1889年までの定義

まずは、昔の1kgの定義をみてみましょう。1795年に決まった一番最初の1kgの定義は、下記の通りでした。

「水1リットルの質量」(大気圧下で氷の溶けつつある温度(すなわち0度)における水)」

引用元:wikipedia「キログラム」

昔の1リットルの定義は、本当に「水1リットルの質量」だったのですね!(その後、水の体積が温度に依存することが分かり、水の密度が最も大きくる摂氏4℃水1リットルに変わりました。)

ではなぜ、感覚的にしっくりとくるこの定義ではダメだったのでしょうか?

それは、 水の体積が気圧にも影響されることが分かったからです。

なぜ気圧に影響されるとだめなのかというと、1kgの定義に「循環依存」という状態が発生してしまうためです。

循環依存とは聞きなれない言葉で難しいですが、図にするとこんな感じの状態です。

質量と気圧の循環定義

水1リットルの体積を決めるには気圧が関係してきますが、その気圧の計算するには質量が必要になってきます。

そうすると、質量の定義と気圧との間で循環してしまい、定義がうまくできなくなってしまうのですね。

「卵が先か、鶏が先か」という問題と似た状況が起きてしまうのですね。

1889年~2019年までの定義

上記のような問題を解決するために、1799年にそれまでの1kgと同じ質量になるようなキログラム原器というものが作製されました。これは、1kgの重さになるように作製した金属の塊です。

そして、1879年に新しいキログラム原器が3つ新たに作製され、1889年にそのうちの一つが、新しいキログラム原器として1kgの基準として定義されました。

そしてこのキログラム原器が約130年変わらずに1kgの定義としてこのキログラム原器が活躍していました。

国際キログラム原器は、プラチナ(白金)90%、イリジウム10%からなる合金でできており、その大きさは直径、高さともに約39mmの円柱となっています。

下記の図のような形です。

国際キログラム原器

39mmと言えば1000円札を半分に折ったのと同じくらいの大きさですから、結構小さいですよね。

しかし、約130年間も1kgの定義として使用されてきた国際キログラム原器だったのですが、問題が起きてきました。

それは、国際キログラム原器の質量が永久に全く同じではないという問題です。

汚れなどがつかないように3重のガラス容器に守られて保管していたのですが、それでも汚れなどが付着したり触るときに削れたりして、わずかに質量が変化してしまうのです。

科学技術の発達した現代では、このわずかなズレすら許されなくなってきています。そのため2011年には、新しい定義を作って現在のキログラム原器は廃止しようということが決まりました。

そして、2019年5月20日、国際キログラム原器は遂にその役目を終えて、新たな定義へと切り替わりました。

現在(2019年~)の定義

ここからは、現在の定義について詳しく解説していきます。

まずは、もう一度現在の1kgの定義を見てみましょう。

キログラムは周波数が {(299 792 458)2/6.626 069 57}× 1034 ヘルツの光子のエネルギーに等価な質量である。

引用元:wikipedia「キログラム」

これを見てみると、1kgがエネルギーの量によって定義されているのが分かりますよね。

なぜエネルギーの量によって質量が定義できるのか不思議に思いますが、実はエネルギーと質量は同じものなのです。

これは、かの有名な物理学であるアインシュタインによって発見されました。

そして、その関係性を示すアインシュタインの公式の中でも最も有名で美しい式がこちらです。

E=mc2

この式の文字の意味は、それぞれ下記の通りです。

  • E=エネルギー
  • m=質量
  • c=光速

つまり、「質量×光速の二乗がエネルギーと同じ」であることを表しています。この性質を利用して定められたのが、現在の定義です。

そしてこの1kgの定義は、国際キログラム原器と同じ質量になるように定義されているので、定義が変わったからといって我々の生活レベルでは1kgの質量に何の変化もありません。

ちなみに、1kgの質量が全部エネルギーに変わったら、1923年に発生した関東大震災の地震2回分のエネルギーになります。質量1kgのエネルギー、恐るべしです。

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なぜ1kgだけ「k」付き!?

最後に気になるのは、なぜ1kgだけ「k」がついているのかということです。

「k」は、ご存知の通り1000倍を表す接頭語です。すなわち、1kgは1gの1000倍という意味になります。1kgが質量の基準なのに、なぜこちらの方に「k」が付いたのでしょうか?

長さの基準である「メートル(m)」や時間の基準である「秒(s)」には当然「k」は付いておらず、付いているのは質量の基準である1kgのみです。

かなり不思議な感じがしますが、それには下記のような経緯があったようです。

1kgだけ「k」が付いた経緯【1789年】
水1リットルの質量(今の1kg)を1グラーブ(grave)という単位で表すことが提案された。
【1795年】
1グラーブの1000分の1を表すグラム(gramme)へと基準が変更された。(1グラーブ(今の1kg)は基本となる質量として大きすぎたからだと言われている)
【1799年】
基準質量を1gとすると使い勝手が悪く、小さすぎて基準器の作成も困難なため、基準器を最初の案の通り1グラーブで作ることにした。しかしながら、グラーブという単位の名前が使われることはなく、グラムの1000倍を表す1kgという表記が採用された。

このような紆余曲折を経て、質量の定義だけ接頭語の「k」が付いた、1kgとなったのですね。

まとめ

以上で、1kgの定義についての話を終わります。まとめると、下記の通りです。

  • 1kgは、光子の持つエネルギーによって定義されている
  • エネルギーと質量は同じもの
  • 感覚的に分かる1kgの重さは、水1リットルの重さ
  • 当初は、本当に水1リットルの質量が1kgの定義だった
  • 1889~2019年までの130年間は、国際キログラム原器によって定義されていた

普段は全く気にすることなく重さなどを測っていましたが、たった1kgでもこれだけ奥が深かったのですね。

これから質量や重さに触れるときには、たまには1kgの定義を思い出しながら眺めてみてはいかがでしょうか?

また、kgと並ぶ基本的な単位である「m(メートル)」「s(秒)」については下記のページに書いていますので、興味がありましたらこちらでも遊びにきてくださいね。

巻き尺
時計秒針
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