1kgの定義とは?どのくらいの重さ?水1リットルと同じ?

てんびん

重さの最も基本的な単位である1kg。

普段の我々の生活でも、とてもなじみのある数字ですね。そこで気になるのが、1kgの定義についてです。1kgの重さとうものは、どうやって決まっているのでしょうか?

このページでは、そんな1kgの定義についてお話しています。

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1kgの定義

まずは、国際的に決められている1秒の定義から見ていきます。国際的な1秒の定義は、下記の通りです。

国際キログラム原器の質量である.

引用元:wikipedia「キログラム」

うむ、なかなかシンプルで分かりやすいですね!国際キログラム原器という基準器があって、その質量が1kgであると。

しかし、ここで一つの問題に気づきます。それは、世の中の人のほとんどが国際キログラム原器を見たことも触ったこともなく、その重さがどのくらいなのか全く分からないことです!そこで、感覚的に分かる1kgの重さは下記のようになります。

感覚的に分かる1kgの質量

水1リットルの質量

これなら、感覚的に非常に分かりやすいですね!1リットルは、1リットル用の牛乳パックやペットボトルに入る水の量になります。それが1kgの質量になるので、とてもイメージしやすいです。

牛乳パック

そして実は、1kgが初めて定義されたときはまさに「水1リットルの質量」だったのです。こんなに分かりやすい定義だったのに、なぜ国際キログラム原器などというものを作ったのでしょうか?次の章では、これらの気になることをもう少し深くみていきたいと思います。

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なぜこのような定義になった!?

それではここから、なぜ1kgがこのような定義になったのか、詳しくみていきます。

昔の1kgの定義

まずは、昔の1kgの定義をみてみましょう。1795年に決まった一番最初の1kgの定義は、下記の通りでした。

「水1リットルの質量」(大気圧下で氷の溶けつつある温度(すなわち0度)における水)」

引用元:wikipedia「キログラム」

昔の1リットルの定義は、本当に「水1リットルの質量」だったのですね!(その後、水の体積が温度に依存することが分かり、水の密度が最も大きくる摂氏4℃水1リットルに変わりました。)

ではなぜ、感覚的にしっくりとくるこの定義ではダメだったのでしょうか?それは、 水の体積が気圧にも影響されることが分かったからです。なぜ気圧に影響されるとだめなのかというと、1kgの定義に「循環依存」という状態が発生してしまうためです。循環依存とは聞きなれない言葉で難しいですが、図にするとこんな感じの状態です。

循環依存

水1リットルの体積を決めるには気圧が関係してきますが、その気圧の計算するには質量が必要になってきます。そうすると、質量の定義と気圧との間で循環してしまい、定義がうまくできなくなってしまうのですね。「卵が先か、鶏が先か」という問題と似た状況ですね。

現在の1kgの定義

上記のような問題を解決するために、1799年にそれまでの1kgと同じ質量になるようなキログラム原器が作製されました。そして1879年に新しいキログラム原器が3つ新たに作製され、1889年にそのうちの一つが、新しいキログラム原器として1kgの基準として定義されました。そしてこのキログラム原器が、現在でも1kgの基準として採用されています。現在は2018年ですから、約130年変わらずに1kgの定義としてこのキログラム原器が活躍しているのですね。何か、とても深い歴史を感じますね!

国際キログラム原器

そんな130年間も1kgの基準として君臨していう国際キログラム原器は、プラチナ(白金)90%、イリジウム10%からなる合金でできており、その大きさは直径、高さともに約39mmの円柱となっています。39mmと言えば1000円札を半分に折ったのと同じくらいの大きさです。思ったよりは、小さいですね。

キログラム原器

国際キログラム原器はフランスのパリにて厳重に保管されています。そしてこれと同じ質量の複製を作製して各国に配布し、それぞれの国でのキログラム原器として使用されています。

1kgの定義がもうすぐ変わる!?

約130年間も1kgの定義として使用されてきた国際キログラム原器ですが、もうすぐ、1kgの定義が変わるかもしれません。それは、国際キログラム原器の質量が永久に全く同じではないためです。汚れなどがつかないように3重のガラス容器に守られて保管されていますが、それでも汚れなどが付着したり触るときに削れたりして、わずかに質量が変化する可能性があります。特に科学技術の発達した現代では、このわずかなズレすら許されなくなってきています。そのため2011年には、新しい定義を作って現在のキログラム原器は廃止しようということが決まりました。そして、現在は新たな1kgの定義が作られようとしている最中なのです。

新たな定義では、原子の数によって定義することが最有力な方法として検討されています。その方法は、ケイ素原子(シリコン)の数がピッタリ1kgの質量になるような体積の球をつくって、それを1kgの基準とする方法です。ケイ素が選ばれたのは、個々の原子が理想的な大きさを占める「完全結晶」という状態になるからです。お行儀が良いから、ケイ素が選ばれたのですね(笑)

ちなみに、質量1kgになるようなケイ素の数で球を作ると、直径約94mmの球になります。これは、ソフトボールとほぼ同じ大きさです。

シリコン球

現在の国際キログラム原器と比べると、かなり大きくなっています。これは、国際キログラム原器よりケイ素の密度が小さいためですね。このシリコンの球が新たな基準となる日も、もう目前に迫っているのかもしれません。

なぜ1kgだけ「k」付き!?

最後に気になるのは、なぜ1kgだけ「k」がついているのかということです。「k」は、ご存知の通り1000倍を表す接頭語です。すなわち、1kgは1gの1000倍という意味になります。1kgが質量の基準なのに、なぜこちらの方に「k」が付いたのでしょうか?長さの基準である「メートル(m)」や時間の基準である「秒(s)」には当然「k」は付いておらず、付いているのは質量の基準である1kgのみです。かなり不思議な感じがしますが、それには下記のような経緯があったようです。

1kgだけ「k」が付いた経緯【1789年】
水1リットルの質量(今の1kg)を1グラーブ(grave)という単位で表すことが提案された。
【1795年】
1グラーブの1000分の1を表すグラム(gramme)へと基準が変更された。(1グラーブ(今の1kg)は基本となる質量として大きすぎたからだと言われている)
【1799年】
基準質量を1gとすると使い勝手が悪く、小さすぎて基準器の作成も困難なため、基準器を最初の案の通り1グラーブで作ることにした。しかしながら、グラーブという単位の名前が使われることはなく、グラムの1000倍を表す1kgという表記が採用された。

このような紆余曲折を経て、質量の定義だけ接頭語の「k」が付いた、1kgとなったのですね。

まとめ

以上が、1kgの定義についてです。普段は全く気にすることなく重さなどを測っていましたが、たった1kgでもこれだけ奥が深いのですね。

これから質量さ重さを見るときは、たまには1kgの定義を思い出しながら眺めてみてはいかがでしょうか?

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