電磁波。
いわゆる「光」のことですね。そして電磁波の中には、X線・紫外線・可視光線・赤外線・電波などいろいろな種類があります。
どれも一度は耳にしたことはある言葉だとは思いますが、これらはいったい何が違うのでしょうか?
実はこのように種類がたくさんある電磁波なのですが、その違いはたった2つしか無かったのです。
このページでは、そんな電磁波の種類と、それぞれの違いや特徴について分かりやすくお話していきます(^^)
電磁波とは?
まずは、早速ですが電磁波とはどのようなものかについてお話します。
電磁波は、Wikipediaによると次のように説明されています。
電磁波は、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。いわゆる光(赤外線、可視光線、紫外線)や電波は電磁波の一種である。
引用元:wikipedia「電磁波」
なるほど、電磁波とは電場(電気)と磁場(磁気)によって作られる波のことだったのですね!
これでも何となくは分かるのですが、電気と磁気の波とはいったいどのようなものかはいまいちイメージしずらいので、その様子をイラストで描いてみました。
イラストを見ると分かる通り、電気の波と磁気の波がお互いに90°直交した状態で次々に発生しながら進行方向に進んでいきます。
この2つの波は必ずセットになっており、電気だけの波、磁気だけの波となって進むことはありません。
それは、電場と磁場には次のような関係があるからです。
電場と磁場の関係!
- 電場が変化すると磁場が変化する
- 磁場が変化すると電場が変化する
このように、電場が変化すると磁場が生まれ、磁場が変化すると電場が生まれるという関係があります。
そのため、片方が発生すればそれに伴って必ずもう片方が発生するので、この2つは切っても切り離せないのですね。
これが、光のことを「電」「磁」波と呼んでいる理由です。
電磁波の種類
次は、電磁波の種類についてお話します。
可視光線、赤外線、紫外線、X線、電波は実はどれも電磁波の種類の一つなのですが、それぞれいったい何が違うのでしょうか?
実は、これらの電磁波の種類は周波数と波長の長さが違うだけなのです。
周波数は1秒当たりの波の数のこと、波長とは波一回分の長さのことですね。
そして、電磁波(光)の性質の一つとして、どんな種類の電磁波も同じ速さで進むというものがあり、その速さを「光速」と呼んでいます。
光速は1秒間に光が進む距離ですから、その距離を周波数で割ると波1回分の長さになります。
電磁波は種類によって速さが変わらないので、周波数と波長は片方が決まれば自動的にもう片方も決まるという関係にあるのですね。
このようにみんな同じ電磁波なのですが、この周波数と波長が違うことによっていろいろな呼び名に変わっているのです。
そして、それぞれの電磁波の周波数と波長は下記の通りです。
名称 | 周波数 | 波長 |
---|---|---|
X線 | 1万~1000万THz | 0.01~10nm |
紫外線 | 800~3万THz | 10~380nm |
可視光線 | 400~800THz | 380~760nm |
赤外線 | 0.3~400THz | 760~100万nm(1mm) |
電波 | 3THz以下 | 10万nm(0.1mm)以上 |
周波数の単位として使っているTHz(テラヘルツ)の「T(テラ)」は1兆倍を表す接頭語で、1THzは1兆ヘルツという意味になります。これは、1秒間に1兆個分というとても多くのの波ができることを示しています。
波長の単位として使っているnm(ナノメートル)の「n(ナノ)」は10憶分の1を表す接頭語で、1nmは10憶分の1メートルという意味になります。これは、100万分の1ミリメートルと言い換えることもできますね。
また、ちなみに、1nmで分子、100nmでウイルス、1万nmでサランラップの厚さくらいです。1万nm(=0.01mm)までいけば、何とか人間の感覚でも分かる長さになりますね。
この中ではX線が一番周波数が大きく、紫外線、可視光線、赤外線、電波の順に周波数が小さくなっていきます。
ちなみに、電磁波は周波数が高ければ高いほど持っているエネルギーが高いという特徴があるので、電磁波のエネルギーもこの順で大きくなります。
そして波長は光速を周波数で割った数値になりますから、周波数とは逆でX線の波長が一番短く、紫外線、可視光線、赤外線、電場の順で小さくなります。
※光の速さおよび周波数の単位「Hz(ヘルツ)」については別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
それぞれの詳細
それではここからは、それぞれの種類の電磁波の詳細について説明していきます。
X線
X線は、0.01~10nmというとても波長が短い電磁波です。
我々の生活で一番なじみがあるのは、そう、レントゲンです。レントゲンの撮影は、このX線を用いて行われています。
ただ、X線は放射線でもありますから、浴びすぎると人体に有害です。X線よりもさらに波長が短い電磁波もあり、それはガンマ線と呼ばれています。
紫外線
紫外線は、波長が10~380nmの電磁波です。
名前の由来は、紫色の光よりも波長が短く、人間の目には見えないところからです。次の可視光線の項目の話にもなりますが、可視光線(人間の目に見える電磁波)の中で一番波長が短いのが紫で、その外側にあるから紫外線なのですね。
この紫外線とえば、電磁波の中でも最も有名なものの一つです。そう、ご存知の通り日焼けの原因になる電磁波で、女性にとっては大敵ですね。
電磁波は波長が短かくなればなるほど持っているエネルギーも大きくなるという特徴がありますので、波長の短い紫外線もたっぷりエネルギーを持っています。そのエネルギーで、お肌にダメージを与えているのですね。
可視光線
可視光線とはなんとも聞きなれない言葉ですが、実は私たち人類にとって最も大切な電磁波です。そう、その名の通り「人間の目で見ることができる電磁波」です。光と言えば、一般的にはこの可視光線のことを指します。
なぜこの波長の光を目で見えるように進化したのかというと、太陽から地球に届く主な電磁波が可視光線の波長のものだからです。地球に住む我々にとっては、太陽から届く光が見えるようになると、周りが良く見えて非常に都合が良かったのですね。
そして目に見える様々な色も、実は波長の長さの違いによって生み出されているのです。それぞれの色の種類と波長の長さは、下記の通りです。
色 | 周波数 | 波長 |
---|---|---|
紫 | 700~790THz | 380~450nm |
青 | 600~667 THz | 450~495nm |
緑 | 530–580 THz | 495~570nm |
黄 | 510–530 THz | 570~590nm |
橙 | 480~510 THz | 590~620nm |
赤 | 405~480 THz | 620~750nm |
紫が一番波長が短く、赤が一番波長が長いですね。ちなみに、これら全ての波長の色が混ざると、人間の目には白色に見えます。
赤外線
赤外線も、日常的に良く聞く言葉ですよね。紫外線と同じく、可視光線の中で最も波長の長い赤の外側にあるので、赤外線と言われています。
赤外線は物を温める効果がありますから、ストーブやキッチンなどで大活躍しています。
赤外線は可視光線よりも波長が長い電磁波で、その波長は760~1,000,000nmくらいです。1,000,000nmは1mmのことですから、ここまで来ると実感の持てる波長の長さになりますね。
電波
電波は、波長が100,000nm以上(周波数3THz以下)の電磁波です。
電波はイメージ通り、テレビ、ケータイ、ラジオ、無線など、様々なものに利用されています。
電波の波長とそれぞれの用途をまとめると下記の通りです。
種類 | 波長 | 用途の例 |
---|---|---|
マイクロ波 | 0.1mm~1m | ・テレビ放送 ・電子レンジ ・ミリ波レーダー ・携帯電話 |
超短波 | 1m~10m | ・FMラジオ放送 ・航空無線 |
短波 | 10m~100m | ・船舶無線 ・アマチュア無線 |
中波 | 100m~1km | ・AMラジオ放送 |
長波 | 1km~10km | ・長波放送 ・誘導無線 |
超長波 | 10km~100km | ・潜水艦との通信 |
極超長波 | 100km以上 | ・鉱山内外の通信 |
このように電波は多種多様の用途で使われており、現代の我々の生活にはなくてはならない存在になっていますね!
まとめ
以上で、電磁波の種類やそれぞれの違いや特徴についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- 電磁波の種類の違いは、周波数および波長の違い
- その違いによって、X線・紫外線・可視光線・赤外線・電波などがある
- この中ではX線の周波数が一番高く、波長は一番短い
- この中では電波の周波数が一番低く、波長は一番長い
- 全ての電磁波は同じ速さで、その速さは「光速」である
- 電磁波の周波数と波長は、片方が決まればもう片方が決まるという関係がある
なんかそれぞれ特別のようなものの気がしますが、みんな同じ電磁波で波長の長さが違うだけというのは何か意外な感じでした!
これからも日常生活を送る上で色々な電磁波に出会うと思いますが、そのときにそれぞれの特徴を思い出しながら見てみると、とても面白いかもしれませんね(^^)
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