ファンヒーター。
石油(灯油)やガスを燃料としている暖房器具の一つですよね。
ファンヒーターは数ある暖房器具の中でも最強レベルのパワーを誇りますので、寒い冬に愛用されている方も多いのではないでしょうか?
しかし、そんなファンヒーターを使っていると悩まされるのが、結露です。
私も実家で暮らしていたときには石油ファンヒーターを使っており、窓の結露などに悩まされた経験があるので、今回はなぜファンヒーターを使うと結露が発生するのかを徹底的に調べてみました!
合わせて、結露に対する対策についてもお話していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
目次
ファンヒーターで結露が発生する理由
それでは、早速ですがファンヒーターで結露が発生する理由をお伝えします。
こちらです。
燃料である灯油やガスが燃えると、大量の水蒸気が発生するから。
そう、ファンヒーターで結露が発生する理由は、空気を暖めるときに燃やす灯油やガスから大量の水蒸気が発生することだったのです!
水蒸気といったら気体になった水のことですから、燃えたら水が発生することになります。
水と言えば火を消すために良く使いますから、燃えることによって水が生まれるとはなかなか思いつかないですよね。
そこで次の章からは、灯油やガスの成分や、それらが燃えた時に発生する燃焼ガスの成分に注目して、なぜ水蒸気が発生するのかを更に深堀りして見ていきたいと思います!
灯油・ガスの成分
それではこの章では、ファンヒーターの燃料となっている灯油やガスが、どのような成分でてきているのかを見ていきます。
都市ガスの成分
まずは、都市ガスの成分です。都市ガスは主に「メタン」というガスを使っています。
メタンは、化学式で書くとCH4で表される、炭素1つと水素4つが結びついた物質です。
都市ガスのファンヒーターは、このメタンが燃えることによって暖かな空気を作ります。
LPガスの成分
次は、LPガスの成分です。LPガスは主に「プロパン」というガスを使っています。
プロパンは、化学式で書くとC3H8で表される、炭素3つと水素8つが結びついた物質です。
プロパンガスのファンヒーターは、このプロパンが燃えることによって暖かな空気を作ります。
灯油の成分
最後は、灯油の成分です。
灯油は、化学式で書くとCnH2n+2(nは9~14)で表される、炭素9~14個と、水素20~30個が結びついた物質です。
炭素と水素の2つが成分なのはガスと一緒ですが、かなり炭素の数が増えましたね。
これだけ原子の数が多いと色々な結びつき方がありますが、最も単純なのは炭素が真っ直ぐ並ぶつながり方です。
灯油のファンヒーターも、このように炭素と水素を成分とした灯油が燃えることによって暖かな空気を作ります。
燃焼ガスの成分
前章で燃料となる灯油やガスの成分が分かりましたので、ここからは燃焼ガスの成分を見ていきます。
燃焼とは、燃料と酸素が激しく反応して熱や炎を生み出す現象のことなので、ファンヒーターの場合では灯油やガスが酸素と結びつく反応になります。
そして、灯油やガスが燃焼して酸素と結びつくと、主に下記の2点の燃焼ガスが発生します。
二酸化炭素
一つ目の燃焼ガスの成分は、二酸化炭素です。
こちらは、灯油やガスの成分のうち、炭素の部分と酸素と結びついて生成されます。
二酸化炭素は、何か物が燃えた時にでる物質としてとても有名ですよね。
そしてファンヒーターをずっと使っていると、室内の酸素が減って二酸化炭素が増えてくるので、人間の呼吸にとって良くありません。
また、部屋の酸素が減った状態でファンヒーターを使い続けると、燃料が不完全燃焼を起こして一酸化炭素という人間にとって極めて危険な燃焼ガスが発生する原因になります。
一酸化炭素は、人間の血液の中にある酸素を運ぶ役割を担っている赤血球に強く結びつく性質があり、酸素を運ぶ邪魔をして体中を酸欠状態にさせるとても恐ろしい物質です。
これらが、ファンヒーターを使っている最中には換気が欠かせない大きな理由となっています。
水蒸気
そしてもう一つの燃焼ガスの成分が、水蒸気です。
こちらは、灯油やガスの成分のうち、水素の部分と酸素と結びついて生成されます。
そしてこの燃えた時に発生する水蒸気が、ファンヒーターを使うと結露が発生する真犯人です。
ファンヒーターの成分となる灯油やガスには前章でみた通りとても多くの水素を含んでいますので、それが燃えると大量の水蒸気が発生します。
その水蒸気の量は、一般的な加湿器に勝るとも劣らないものすごい量なので、ファンヒーターを使うと結露に悩まされることになる訳です。
ファンヒーターの結露対策
ここまではファンヒーターを使うと結露の発生源になる理由をお伝えしてきましたが、この章では、そんなファンヒーターを使った時の結露対策を3つほどご紹介したいと思います。
換気をする
一つ目は、こまめに換気をすることです。
ファンヒーターの説明書には必ず酸欠や不完全燃焼を起こさないように換気する旨が書かれていると思います。
それを確実に行うことは、結露対策にもなります。
部屋の中のたっぷり水蒸気を含んだ空気と、乾いた外の空気が入れ替わるためです。
換気の方法としては、数時間に1回窓を開けることの他、最近の家には壁や窓に24時間換気用の換気口が付いているところも多いですので、家の中の換気扇を回しつつ、その換気口を開けておくといった方法もあります。
こまめに窓を拭く
二つ目は、こまめに窓を拭くことです。
私も実家でもそうでしたが、もっとも多く結露する部分はやはり窓で、その窓に結露した水がカーテンについたり床にこぼれたりして、カビの発生やフローリングが傷んだりしていました。
そのため、窓に発生した結露水が落ちる前に、こまめに拭き取るが大切になります。
しかし、頻繁に窓を拭くのはかなり面倒。そんな時には、こんな便利がグッズがあります。
面倒な窓ふきの、強い味方になってくれると思います。
部屋の温度を上げすぎない
三つめは、部屋の温度を上げすぎないことです。
空気は、温度が上がれば上がるほど水蒸気をたくさん含むことができるという性質を持っています。
そのため、温度が高くて湿った空気が冷たい窓に当たると、より多くの結露水が発生します。
なので、寒くない程度の設定温度にし、必要以上に部屋の温度を上げないことが大事です。
部屋の空気を汚さないファンヒーター
ここまでは普通の石油やガスのファンヒーターについて話をしてきましたが、ここからは一味変わったタイプのファンヒーターをご紹介したいと思います。
部屋に燃焼後のガスを一切放出せず、二酸化炭素が増えて部屋の空気が汚れたり、水蒸気が増えて大量の結露が発生する心配の無いファンヒーターです。
FF式ファンヒーター
一つ目は、FF式ファンヒーターです。こちらのような製品です。
FF式ファンヒーターは、燃料を燃やすための空気を部屋の外から取り込んで、排気ガスも部屋の外に放出します。
そして、燃焼によって熱くなった外の空気と部屋の空気を熱交換させて、部屋の空気を暖めるという方式のファンヒーターです。
このようにして、部屋の空気を全く汚さずに暖めることができます。
温水ルームヒーター
二つ目は、温水ルームヒーターです。こちらのような製品です。
温水ルームヒーターは、家の外で燃料を燃やして温水を作り、その温水を部屋の中のファンヒーターに送って、部屋の空気と熱交換させるという方式のファンヒーターです。
そのため、温水ルームヒーターを使う場合は、室内機と室外機の両方が必要になります。
このタイプの製品は外で燃料を燃やすので当然ながら部屋の空気を汚さない他、部屋の中で燃焼音もしないのでとても静かという特徴もあります。
ちょっと値段は高いですが、その快適性から近年では人気の高まっているタイプのファンヒーターです。
いまご紹介したFF式ファンヒーターと温水ルームヒーターの2つは、結露ではなく逆に乾燥対策が必要です。
この2つは、燃料を燃やした時の水蒸気が部屋の中に入らないので、空気も汚れない代わりに湿度も上がらないのですね。
そして、湿度が供給されずに部屋の温度が上がるととても部屋が乾燥した状態になるので、乾燥対策が必要になるのです。
※なぜ暖房で温度を上げると部屋が乾燥するのかについては別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
まとめ
以上で、ファンヒーターを使うと結露が発生する理由についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- 石油やガスの主成分は、炭素と水素。
- 成分のうち、水素が燃えると酸素と結びついて水蒸気になる。
- 燃焼によって発生した水蒸気が、結露の原因となる。
- 結露対策としては、換気や部屋の温度を上げすぎないことなどがある。
- 部屋の空気を全く汚さない、FF式や温水ルームヒーターといったタイプのファンヒーターもある。
ファンヒーターは、結露は発生してしまうものの、とてもとても暖かい冬には欠かせない暖房器具の一つです。
そのため、使うときには結露対策をしっかりしながら、かしかく快適に使っていきたいですね!
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