囲碁の三大タイトル、七大タイトルとは?どんなタイトルがある?

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囲碁の世界の中で、最も重要な棋戦で賞金の額も高い三つのタイトルを総称して「三大タイトル」と呼びます。また、三大タイトルとそれに次ぐランクの四つのタイトルを合わせて、「七大タイトル」と呼んでいます。

そこで気になってくるのが、この三大タイトルや七大タイトルの中にはどのようなタイトルが含まれているかということです。このページでは、そんな囲碁の三大タイトル、七大タイトルがどのようなものがあるのかについてお話しています。

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概要

まずは、三大タイトル・七大タイトルの概要です。囲碁の棋戦で三大タイトル、七大タイトルと呼ばれているものは下記の通りです。

三大タイトル

棋聖・名人・本因坊

七大タイトル

棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段

三大タイトルは「棋聖・名人・本因坊」の三つ、七大タイトルはその三つプラス「王座・天元・碁聖・十段」の四つのタイトルが含まれています。

三大タイトル

ここからは、各タイトルのタイトル戦について一つずつ詳しくみていきます。まずは、囲碁の棋戦の中で最も賞金が高く重要視されている三大タイトルからです。

棋聖戦

  • 主催:読売新聞社
  • 優勝賞金:4500万円
  • 手合い数:七番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:一柳棋聖

棋聖戦は優勝賞金が4500万円という、現在の囲碁のタイトルの中で最も賞金の高い棋戦です。タイトル戦の名前となっている棋聖は、「棋士の聖人」という言葉の略の通り、古来より棋士の中で聖人のように強かった人たちに使われていた言葉です。

名人戦

  • 主催:朝日新聞社
  • 優勝賞金:3700万円
  • 手合い数:七番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:塔矢名人

名人戦は優勝賞金3700万円という、囲碁のタイトルの中で棋聖戦に次ぎ賞金の高い棋戦です。どの分野でもその道の極みに達した人たちを名人と呼びますから、まさに囲碁の名人となるタイトルですね。ヒカルの碁では、塔矢アキラのお父さんである塔矢行洋名人の気品や風格がすごくて、存在感がありましたね。

本因坊戦

  • 主催:毎日新聞社
  • 優勝賞金:3200万円
  • 手合い数:七番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:桑原本因坊

本因坊戦は優勝賞金3200万円で三大タイトルの中ではもっとも低い金額にはなっていますが、創設は1940年と現行の七大タイトルの中では最も歴史のある棋戦です。ヒカルの碁では、桑原本因坊が緒方九段と戦ったときにに封じ手を使った策略などで見事退け、シブいキャラとして君臨していましたね。

豆知識!本因坊の由来タイトル名の本因坊は、江戸時代の囲碁の家元であった本因坊家に由来しています。本因坊家は、江戸時代に4つあった囲碁の家元(本因坊家、安井家、井上家、林家)の中で最も強かったと言われています。この中には、本因坊道策や本因坊丈和、本因坊秀策など今でもその伝説的な強さを語り継がれている棋士もいます。その中でも、本因坊秀策はヒカルの碁の中で、藤原佐為が進藤ヒカルの前に憑りついて人物としてとても有名ですよね。劇中で藤原佐為が塔矢行洋をも破る最強棋士として描かれているように、実在した本因坊秀策も徳川将軍の御前で行う御城碁で19連勝という記録を残すなど、現在でも囲碁の歴史上最強の人物と呼ばれています。
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七大タイトル

上記の三大タイトルと、その次に賞金と重要度の高い四つのタイトルを合わせて七大タイトルと呼びます。下記、三大タイトル以外の残りの四つのタイトル線についてです。

王座戦

  • 主催:日本経済新聞社
  • 優勝賞金:1400万円
  • 手合い数:五番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:座間王座

三大タイトル以外の中では、最も優勝賞金の高い棋戦です。三大タイトルの七番勝負で行われますが、残りの四つタイトルは五番勝負で行われます。ヒカルの碁では、座間王座が若干悪役気味で登場し、ヒカルのライバルである塔矢アキラをガツンとやっつけていましたね。

天元戦

  • 主催:新聞三社連合
  • 優勝賞金:1300万円
  • 手合い数:五番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:塔矢天元

天元は、三大タイトル以外では王座戦に次ぐ賞金の高い棋戦です。主催の新聞三社連合は、北海道新聞・中日新聞・西日本新聞の三社の連合です。タイトル名の天元は、囲碁に9つある星の中で碁盤の中央にある星の名前から来ています。天元という言葉は、古代中国の自然観で万物の源である天の元気を意味する言葉。碁盤はときに宇宙に例えられますから、中央にある星はまさに言葉通り天元となっていますね。囲碁ならではの、美しいタイトル戦の名前ですね。

碁聖戦

  • 主催:新聞囲碁連盟
  • 優勝賞金:800万円
  • 手合い数:五番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:塔矢碁聖、緒方碁聖

碁聖は「碁の聖人」の略で、棋聖と同様に碁が聖人のように強い人を昔からこのように呼んでいました。主催の新聞囲碁連盟は、京都新聞や山陽新聞など、13の地方新聞社で構成されている連盟です。

十段戦

  • 主催:産経新聞社
  • 優勝賞金:700万円
  • 手合い数:五番勝負
  • ヒカルの碁のキャラ:塔矢十段、緒方十段

囲碁のプロ棋士の段位は初段から九段までで十段というのは存在しませんが、タイトルとして十段という名称が用いられています。なので普通の昇段では十段にはなれず、あくまでもタイトル戦である十段戦で優勝することによって獲得できるタイトルです。ヒカルの碁では、今まで無冠だった緒方精次が塔矢行洋との師弟対決を制し始めて十段を取得したときのシーンが印象的でしたね。

七大タイトルにまつわる話

最後になりますが、七大タイトルにまつわる話をいくつかしたいと思います。

◆井山裕太プロの七冠達成

七大タイトルを全て獲得することをグランドスラムと呼びますが、井山プロが達成するまでは趙治勲プロと張栩プロの二人しかいませんでした。そしてその二人も生涯かけては七つのタイトルを全て獲っていますが、七大タイトルを全て同時に保持したことはありませんでした。しかし、2016年に囲碁界で史上初めて、井山プロが七大タイトルを同時に独占する七冠を達成しました!

一つのタイトルを獲るだけでもものすごく難しいと言われているプロの世界で、七つのタイトルを同時の取得するのまさに神業の一言です。その功績が認められて、平成30年に将棋界の第一人者である羽生善治さんと共に、国民栄誉賞も受賞されています。

◆名誉称号

各七大タイトルともに、通算10期以上の在位か5期連続の在位で名誉称号が与えられます。名誉称号が与えられると、現役引退または60歳の誕生日を迎えた後、各タイトルの上に名誉を付けた「名誉○○」と名乗ることができます。ただ、この条件を満たすことはとても難しいため、各タイトルで名誉称号の条件に該当している人は数人しかおらず、十段のタイトルに至っては2018年現在、未だに一人も名誉十段の有資格者は出ていません。

◆タイトル獲得数ランキング

2018年十段戦終了時点での七大タイトル獲得数のランキングです。カッコ内は、七大タイトルのうち三大タイトルの獲得数です。

順位棋士獲得数
第1位趙治勲42(29)
第2位井山裕太40(18)
第3位小林光一35(16)
第4位加藤正夫31(6)
第5位張栩23(9)

現在のトップは、本因坊戦10連覇し本因坊の名誉称号である二十五世本因坊にもなられている趙治勲プロ。しかし、まだまだ若く七冠を達成して乗りに乗っている井山プロが2個差で2位につけていますから、近いうちに順位が入れ替わることになりそうです。

まとめ

以上が、囲碁の三大タイトル、七大タイトルについてです。

ひとえに囲碁の棋戦といっても、いろいろなタイトルがあるのですね。囲碁の七大タイトルの挑戦手合いは、一年中時期を変えながらいずれかの棋戦が行われています。今後は誰がどのようにしてタイトルを奪取していくのか、楽しく観戦しながら注目していきたいですね!

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