パスカル(Pa)。
国際単位系における、圧力の単位です。
日常生活では、良く天気予報でヘクトパスカル(hPa)という単位として出てきます。
そんな圧力の単位のパスカルですが、どのような定義なのか、どのくらいの力なのか、また、hPaやkPa、MPaはどういった単位なのか、良く分からないことも多いです。
そこで今回は、圧力の単位「パスカル」について分かりやすくまとめてみました!
このページを見れば、パスカルのことが全て分かるようになっているほか、その他の圧力の単位への換算方法も載せましたので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1Paパスカルの定義
それでは、早速ですがパスカルの定義から見ていきたいと思います。
こちらです。
1平方メートル(m2)の面積につき1ニュートン(N)の力が作用する圧力
うむ、定義を読んだだけではどのくらいの圧力なのか良く分からないですね。
なので、少し分かりやすくするためにパスカルの定義を図にしてみたいと思います。
少しは分かりやすくなりましたが、まだ1Nという力がどのくらいなのかイメージしにくいですよね。
1Nの力は、約100gの物を持った時に感じる力です。100gと言えば、だいたいみかん1個の重さになります。
そのため、1Paの圧力の強さのイメージは、下記の図のように表すことができます。
面積1m2当たり約みかん1個分の重さと同じくらいの力が掛かっているということになります。
これなら、すごくイメージしやすいですね。1m2当たりの圧力がこれくらいですから、1Paの圧力はあまり強くないなといった感じですね!
※力の単にN(ニュートン)については別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらを参照してください。
hPa、kPa、MPaの意味
次は、hPa(ヘクトパスカル)、kPa(キロパスカル)、MPa(メガパスカル)の意味について説明します。
それぞれ、このような意味です。
- 1hPa=100Pa
- 1kPa=1,000Pa
- 1MPa=1,000,000Pa
h(ヘクト)は、100倍を表す接頭語、k(キロ)は1,000倍表す接頭語、M(メガ)は100万倍を表す接頭語になりますから、それぞれこのような意味になるのですね。
色々な圧力の強さ
圧力の強さが分かってくると、気になるのが身近なものの圧力がどのくらいなのかということです。
そこで、色々な身近なものの圧力を表にしてみました。
項目 | 圧力(ゲージ圧) |
---|---|
家庭用ガスの圧力 | 1~3kPa |
圧力鍋 | 80~150kPa |
タイヤの空気圧 | 200~250kPa |
水道水 | 300~500kPa |
エアコンの冷媒圧 | 0.8~3.5MPa |
エコキュートの冷媒圧 | 3~10MPa |
高圧洗浄機 | 6~14MPa |
表を見てみると、エコキュートの冷媒圧や高圧洗浄機の圧力は、とてつもなく高い圧力というのが分かりますね。
圧力の表記にはゲージ圧と絶対圧という2種類があり、それぞれ下記のような意味になります。
- ゲージ圧=大気圧を0とした圧力
- 絶対圧=真空を0とした圧力
普段の生活では、大気圧を0としたゲージ圧が良く用いられます。ちなみに、大気圧は真空状態を0とすると約100kPa(0.1MPa)となるため、絶対圧はゲージ圧にこの数値をプラスした値になります。
他の圧力の単位への換算
ここからは、他の単位への換算についてお話します。
国際単位系における圧力の単位はパスカルですが、他にも圧力の単位はいくつかあります。
その中でもよく使われるのが、kgf/cm2、mmH2O、mmHg、atmの4つです。
そこで今回は、パスカルからそれらの単位に換算してくれる自動計算フォームを作成しました。
もし単位を変換するとどのくらいの圧力になるのかを知りたい場合は、こちらの計算フォームをご利用ください。
※計算には、それぞれ下記の通りの数値を利用しています。
- 1kgf/cm2=98066.5Pa
- 1mmH2O=9.80665Pa
- 1mmHg=133.322Pa
- 1atm=101325Pa
また、kgf/cm2の定義については別ページで詳しくお話していますので、興味がある方はこちらにも遊びに来てくださいね。
パスカルという名前の由来
最後はちょっと余談になりますが、圧力の単位の名前が「パスカル」になった由来についてお話したいと思います。
その由来は、「人間は考える葦である」という言葉で有名な17世紀のフランスの哲学者「ブレーズ・パスカル」です。
パスカルは哲学者としてでしたが、数学者としても活躍し、パスカルの原理やパスカルの三角形など、こちらの分野でも数大きな功績を残しました。
そんなパスカルの数々の功績の栄誉を称えて、圧力の単位を「パスカル」という名前にすることが決まりました。
一見すると、人物の名前を単位にするなんてちょっと不思議な感じがしますが、実は普段私たちが日常で使っている単位にも、人物が由来のものがたくさんあります。
例を挙げると、下記の表のような単位がそうです。
単位名 | 記号 | 意味 | 由来の人物 |
---|---|---|---|
ニュートン | N | 力 | アイザック・ニュートン |
パスカル | Pa | 圧力 | ブレーズ・パスカル |
アンペア | A | 電流 | アンドレ=マリ・アンペール |
ボルト | V | 電圧 | アレッサンドロ・ボルタ |
ワット | W | 電力 | ジェームズ・ワット |
オーム | Ω | 電気抵抗 | ゲオルク・オーム |
ヘルツ | Hz | 周波数 | ハインリヒ・ヘルツ |
摂氏(セルシウス度) | ℃ | 温度 | アンデルス・セルシウス |
周波数の単位である「ヘルツ」や、電気製品を買うときによく見かける電力の単位である「ワット」も、実は有名な物理学者の名前が由来になっていたのです。
終わりに
以上で、圧力の単位「パスカル」についての話を終わります。
1Paの定義や、1Paがどのくらいの強さかなど、ご理解頂けましたでしょうか?
これから天気予報などでパスカルの単位が出てきましたら、定義などを思い出しながらみてみると面白いかもしれませんね(^^)
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