湿度。
私たちの日常生活でも良く使う、空気の中にどのくらい湿気があるかを示す数値ですよね。
そして湿度の中には、相対湿度と絶対湿度の2種類があるのですが、この2つはいったい何が違うのでしょうか?
このページでは、そんな相対湿度と絶対湿度がどのような湿度なのか、イラストを用いながら分かりやすく解説しています。
合わせて、空気の温度が変化したときに湿度がどう変わるのかや、露点温度についても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
目次
相対湿度・絶対湿度とは?
まずは、早速ですが相対湿度と絶対湿度を、まずは一言で説明したいと思います。
こちらです。
天気予報などでも出てくる、私たちが普通に使っている湿度のこと。
日常生活ではあまり使わない湿度で、一定の空気の中にある水蒸気の質量を表したもの。
相対湿度は私たちの普段使っている湿度のことで、絶対湿度は日常生活ではあまり使わない、ちょっと難しい湿度のことだったのですね!
ただ、これではそれぞれの湿度がどういった湿度なのかはまだ分からないと思いますので、次の章からは、相対湿度と絶対湿度について、さらに詳しく見ていきたいと思います!
相対湿度の詳細
最初は、相対湿度の詳細です。
第1章では、相対湿度は私たちがいつも使っている普通の湿度と言いましたが、それでは相対湿度がどういったものなのかの説明にはなっていないので、まずは定義から確認していきたいと思います。
こちらです。
ある空気の含むことができる水蒸気の最大量に対する、現在の水蒸気量の割合。
相対湿度はこのように定義されているのですが、言葉だけだと少し分かりにくいので、下の図のような空気を例にして説明していきます。
このように、25℃で1m3の空気が含むことのできる水蒸気の最大量は23gなのですが、それに対して現在の水蒸気の量がその半分の11.5gだったら、相対湿度50%ということになります。
また、最大水蒸気量と同じ量の水蒸気があれば相対湿度100%、水蒸気が全くなければ相対湿度0%になります。
絶対湿度の詳細
次は、絶対湿度の詳細です。
絶対湿度は、さらに容積絶対湿度と重量絶対湿度の2つに分けられますので、それぞれ説明していきます。
容積絶対湿度
まずは容積絶対湿度ですが、その定義は次のようになっています。
1m3当たりに含まれる水蒸気の量。
イラストで表すと、こんな感じです。
このように、容積絶対湿度は1m3当たりの空気の中に含まれている水蒸気量を表していて、単位は「g/m3」です。
上記の空気の例では、絶対湿度は「11.5g/m3」になります。
単に絶対湿度といった場合は、こちらの容積絶対湿度を指している場合が多いです。
重量絶対湿度
次は重量絶対湿度ですが、その定義は次のようになっています。
乾燥空気1kg当たりに含まれる水蒸気の量。
イラストで表すと、こんな感じです。
このように、重量絶対湿度は乾燥1kg当たりの空気の中にある水蒸気量を表していて、単位は「g/kgDA」です。
「DA」は「dry air」の略で、乾燥空気という意味です。
上記の空気の例では、絶対湿度は「10g/kgDA」になります。
25℃の空気では、1kgの空気の量の方が1m3のときよりもちょっと減るので、絶対湿度もそれに合わせて少し減ります。
こちらの重量絶対湿度は、建物などの空調の分野で良く使われている絶対湿度です。
温度が変わる時の湿度の変化
前章までで相対湿度と絶対湿度がどのようなものかを見ていきましたが、ここからは、空気の温度が変わったときに、その湿度がどのように変わるのかを見ていきたいと思います。
空気の温度と飽和水蒸気量
まずは、空気の温度と飽和水蒸気量の関係をご紹介します。
飽和水蒸気量とは、1m3の空気が含むことができる最大の水蒸気量のことをいいます。
そして、各温度における飽和水蒸気量の値がこちらになります。
このように、温度が上がれば上がるほど飽和水蒸気量は大きくなります。
これは、温度が高い空気の方がより多くの水蒸気を空気の中に含むことができることを表しています。
温度が上がるときの湿度の変化
それをふまえて、温度が上がる時の湿度の変化を見ていきます。
「温度5℃・相対湿度100%・絶対湿度6.8g」の空気を、30℃まで上げた場合の湿度変化は、下記のようになります。
このように空気の温度を上げると、絶対湿度は変わらないのですが、飽和水蒸気量に対しての現在の水蒸気量の割合が減っていくので、どんどん相対湿度が下がっていきます。
そのため、どんどん空気が乾燥していくように感じます。
冬にエアコンや床暖房を使って部屋の温度を上げるととても空気が乾燥してしますのは、これが理由だったのですね!
※エアコン暖房で乾燥する理由と対策については別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらのページにも遊びにきてくださいね。
温度が下がる時の湿度の変化
次は温度が下がる時の湿度の変化を見ていきます。
「温度30℃・相対湿度57%・絶対湿度17.2g空気」を、5℃まで下げた場合の湿度の変化は、下記のようになります。
このように空気の温度を下げると、相対湿度が上がってどんどん空気がジメジメしていきます。
また、温度が20℃より低くなると、その温度の空気が含むことができる水蒸気量を超えてしますので、超えた分は結露水として液体の水になってしまいます。
露点温度とは?
最後になりますが、露点温度について説明したいと思います。
露点温度を一言で表すと、次の通りになります。
水蒸気を含む空気を冷やしていったとき、結露が始まる温度。
例として、先ほど出てきた空気の温度を下げるときの変化をもう一度見てみたいと思います。
そうすると、この空気は20℃になると相対湿度100%になって結露が始まるので、「露点温度は20℃」となります。
また、露点温度はその絶対湿度が飽和水蒸気量になるときの空気と温度と言えるので、相対湿度は関係なく、絶対湿度のみで決まるといった特徴があります。
まとめ
以上で、相対湿度・絶対湿度についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- 相対湿度は、その空気が含むことのできる最大水蒸気量に対しての、現在の水蒸気量の割合
- 容積絶対湿度は、1m3当たりの空気の中にある水蒸気の量
- 重量絶対湿度は、乾燥空気1kg当たりの空気の中にある水蒸気の量
- 空気の温度を上げると、相対湿度が下がってどんどんカラカラになる
- 空気の温度を下げると、相対湿度が上がってどんどんジメジメになる
- 空気の温度を下げて結露が始まる温度のことを「露点温度」という
相対湿度と絶対湿度、ちょっと難しかったですが、図を用いながらまとめることで正しく理解できました。
これから天気予報などで湿度に関することが出てきたら、相対湿度・絶対湿度のことを思い出しながら聞いてみると、より面白いかもしれませんね!
編集した本が出版されました!
この度、私(星野なゆた)が編集として入らせて頂いたKindle本「食べたい!がとまらない とろけて香る茄子麻辣のおいしい秘密:日本初!常温保存できる瓶詰め麻婆茄子商品開発ストーリー(賀川元史著)が出版されました!
すでに読んでくださった方からは大好評を頂いています。ナスが好きな方は、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(^^)
コメントを残す