大気圧。
単に気圧とも呼ばれる、大気の圧力を表す言葉です。
しかし、普段私たちが生活しているの中で、大気圧を感じることはあまりありません。
空気は周りにある当たり前のもので、特に空気から圧力を受けたと思うことはないですよね。
これは私たち生物が大気圧の中で進化してきたので、大気圧に完全に適応した体になっているからです。
でも、私たちが感じていないだけで、大気にもちゃんと圧力があります。
このページでは、そんな大気圧がどのようのものなのかと合わせて、大気圧がどのくらい強いのかについてもお話していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
目次
大気圧とは?
まずは、大気圧とはどのようなものか一言で説明したいと思います。
こちらです。
地球の空気によって発生している圧力
まあ、そのまんまですね(笑)
これではあまり説明になっていないような気がするので、分かりやすいように図を用いて説明したいと思います。
こちらです。
このように地球は宇宙との境目である大気圏(地表から約100km上空)まで大気がありますが、空気にもちゃんと重さがありますので、地表の上にある空気の重さによって圧力が発生しているのです。
これで、大気圧が発生する仕組みが分かりましたが、そうすると次に気になってくるのがじゃあ大気圧ってどのくらいの強さなの?ということです。
そこで次の章からは、大気圧の強さについてお話していきたいと思います!
大気圧の強さ
普段私たちが日常生活をしているときには大気圧なんて全く感じませんし、空気の力なんていかにも弱そうな気がするのですが、侮るなかれ。
大気圧は、実は鉄でできたドラム缶をつぶしてしまうくらいの恐ろしく強い力だったのです!
そして、その実験を行った動画がこちらです。
ドラム缶の中の空気を真空ポンプでどんどん抜いて真空にすると、見事にドラム缶がつぶれました!(動画では、2分30秒くらいのときです)
ドラム缶が空気の力に負けて限界を迎えたときにいきなりつぶれるので、見ているお客さんもびっくりしていましたね(笑)
大気圧、本当に恐るべしです。
大気圧の数値を色々な単位で!
前章で大気圧が実はとんでもない力を持っていることをお伝えしましたが、この章では、そんな大気圧がどのくらいの数値なのかを、色々な圧力の単位に直して見ていきたいと思います。
Pa(パスカル)で表した場合
まずは、SI単位系という国際的に正式に認められている圧力の単位「Pa(パスカル)」で表した数値がこちらになります。
- 101325Pa
このように、大気圧をパスカルで表すと約10万Paという数値になります。
また、高い圧力を表す時に使われるhPa、kPa、MPaを使うと、下記の通りになります。
- 1013hPa
- 101kPa
- 0.1MPa
- hPaの「h」は「ヘクト」と読む100倍を表す接頭語で、1hPa=100Paになります。(ヘクトパスカルは、お天気でおなじみですね)
- kPaの「k」は「キロ」と読む1000倍を表す接頭語で、1kPa=1000Paになります。(キロは、kgやkmのkと同じ意味ですね)
- MPaの「M」は「メガ」と読む100万倍を表す接頭語で、1MPa=100万Paになります。
ちなみに、パスカルの単位は1m2あたり何N(ニュートン)の力が掛かっているかを表していますので、大気圧は1m2あたり約10万Nの力が掛かっていることになります。
その圧力を図で表すと、このようになります。
たった1m2の面積に、ゾウ2頭分が乗っている重さと同じ10t(1万kg)という力が掛かっていることになります。
やはり、大気圧がとてつもなく強い圧力だということが、とても良く分かりますね。
※圧力の単位「パスカル」については別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらにも遊びにきてくださいね。
kgf/cm2で表した場合
次は、工学の世界で良く使われている、kgf/cm2という圧力の単位で表した数値です。
- 約1kgf/cm2
圧力の単位「kgf/cm2」はそのまま読むと「キログラム重パー平方センチメートル」となりますが、長いので実際の現場では略して単に「キロ」と呼ばれることが多いです。
こちらも図で表すと、このようになります。
これは、1cm2当たり1kgの重さが乗っているときと同じ力が掛かっているという意味になります。
ちなみに1m2=1万cm2ですから、1m2当たり1万kg(10t)の重さの力が掛かることになり、当たり前ではありますがパスカルで表したときと同じ圧力の強さになります。
この単位は、大気圧(=1気圧)が1キロと感覚的に非常に分かりやすいので、工学の世界で本当に良く使われます。
例えば、水道の圧力はだいたい5キロくらいの場合が多いですが、これは大気圧の5倍(5気圧)の圧力が掛かっているのだと一目で分かります。
※圧力の単位「kgf/cm2」については別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらにも遊びにきてくださいね。
mmHgで表した場合
mmHgは、水銀柱ミリメートルと読む、どのくらいの高さの水銀の柱と吊り合うかで表した圧力の単位です。
この単位では、大気圧の数値は次のようになります。
- 760mmHg
このmmHgで有名なのは、やはり初めて大気にも圧力があることを証明した17世紀のイタリアの物理学者、トリチェリの実験ですかね。
あなたも、一度は下記のようなイラストの図を見たことがあるのではないでしょうか?
これは、大気圧の圧力と、760mmの水銀の柱の重さで掛かる圧力が同じであることを示しています。
また、このときガラス管の上部は全く空気の無い真空になっており、トリチェリは実験を通して史上初めて真空を作ったと言われています。
ちなみにmmHgは、今でも血圧を表すときの単位として良く使われています。
例えば、血圧が130といったら、これは130mmHgということになります。
この時の値は、ゲージ圧といって大気圧(=760mmHg)を0とすることが普通ですので、血圧130といったら、大気圧より130mmHgほど高い圧力が血管の中に掛かっているという意味になります。
mH20で表した場合
mH20は、水柱メートルと読む、どのくらいの高さの水の柱と吊り合うかで表した圧力の単位です。
この単位では、大気圧の数値は次のようになります。
- 約10.3mH2O
これは、先ほど出てきた水銀の、水バージョンということになりますね。
イラストで表すと、このようになります。
よく海でダイビングをするときに、10m潜るたびに1気圧ずつ上がるから潜ったり浮上する際には圧力の変化に気を付けろと言われているのは、これが理由だったのですね。
人間が大気圧でつぶれない理由
ここまで、大気圧がいかに強いかについて説明してきましたが、なぜ私たち人間をはじめとする生物が大気圧でつぶれてしまわないのかについてお伝えします。
その理由が、この2点です。
人間が大気圧でつぶれない理由!
- 上下左右全ての方向から同じ力が掛かっている
- 体の内側からも同じ圧力で反発している
イメージでは、こんな感じです。
このように、全方向から同じ力が掛かっていることと、同じ力で体の内側から反発しているので、全ての圧力が打ち消し合っているのですね。
だから、私たちはこんなに強い圧力である大気圧の中でも、何も感じずに生きて行くことができるのです、
まとめ
以上で、大気圧についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- 大気圧は、空気の重さによって発生している圧力
- 大気圧は、鉄でできたドラム缶をつぶせるくらい強い
- 大気圧を色々な圧力の単位で表すと、10万Pa・1kgf/cm2・760mmHg・10.3mH2Oなどになる
- 大気圧で人間がつぶれないのは、全ての方向から同じ力が掛かっていることと、体の内側から同じ強さで反発しているから
大気圧についてまとめてみたら、色々なことが分かって本当に面白かったです!
これからはふとしたときに、普段は何も感じない空気にも圧力があるのだと思って見たら、空気をちょっと違った目でみることができるかもしれませんね(^^)
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