オーム(Ω)。
電気に関する単位で、抵抗の大きさを表すものですよね。
あいちゃんとけいくんも悩んでいますが、電気の計算問題でよく出てくるオームも、いざどのように決められているのかと言われると、良く分からないところがありますよね。
そこで今回は、抵抗の単位「オーム(Ω)」の定義について、イラストを用いながら分かりやすく解説していきます。
合わせて、抵抗に関する豆知識についても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
オームの定義
それでは早速ですが、まずは1オームの定義をみていきたいと思います。
こちらです。
導線のある2点間に1ボルトの電圧を加えたときに、その間に1アンペアの電流が発生するときの電気抵抗。
分かりやすいようにイラストにすると、下記のようになります。
このように、抵抗の単位であるオームは、電圧の単位であるボルトと、電流の単位であるアンペアによって定義されています。
ちなみに、このように定義するためには1ボルトと1アンペアの大きさが正確に決められている必要がありますが、その大きさはそれぞれ下記のように決められています。
- 【1アンペア】1秒間に電子が約624京個通過する電流
- 【1ボルト】1アンペアの電流の中で、ある2点間の消費電力が1Wになる電圧
抵抗の単位であるオームは、ボルトとアンペアが先にあって、それを使って定義された単位だったのですね。
※ボルト、アンペアの定義についても別ページで詳しくお伝えしていますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
けいくん、あいちゃんもまだしっくり来てないみたいですが、電気は目に見えないのでなかなかイメージしづらいところがあります。
なので次の章では、電気を水の流れに例えて分かりやすく解説していきたいと思います!
オームの定義を分かりやすく
この章では、電気を水の流れに例えて、1オームの定義を改めてみていきたいと思います。
電気を水の流れに例えると、電流アンペア、電圧ボルト、抵抗オームはそれぞれ次にように表すことができます。
- 電流アンペア=水の流量
- 電圧ボルト=水の落差
- 抵抗オーム=流れの障害物
このように例えた場合、1オームの定義をイラストにしてみると、下記のようになります。
電圧は水の落差になりますから、水の高低差になります。
流れの障害物が大きくなる(抵抗が大きくなる)と、同じ1ボルトの落差でも、水が流れにくくなって水量であるアンペアが減ります。
反対に、流れの障害物が小さくなる(抵抗が小さくなる)と、同じ1ボルトの落差でも、水が流れやすくなって水量であるアンペアが増えます。
そして、1ボルト分の水の落差があるときに、水の流量がちょうど1アンペア分になるときの流れの障害物の数値が、1オームということになります。
抵抗に関する豆知識!
最後の章では、これまで学んできた抵抗に関する豆知識をお伝えしたいと思います
抵抗の小さい金属
抵抗が小さく電気が流れやすいものとしてすぐにイメージが浮かぶのが、そう、金属です。
電線の材料など、電気を通すものは、だいたい金属でできていますからね。
そんな電気を通しやすい金属の中でも、特に抵抗が小さく電気を良く通す物質BEST3をご紹介したいと思います。
こちらです。
電気抵抗率は常温、値段は2021年5月の相場の値段です。
表の中の電気抵抗率という数値がその物質がどのくらい電気抵抗があるのかを示しており、その数値が少ないほど抵抗が少ない物質と言えます。
表を見てみると、最も電気を通しやすい金属は銀で、そこから銅、金と続いています。
なんか、オリンピックのメダルみたいですね(笑)
この中で、電気製品に最もよく使われているのは、銅です。
空に張り巡らされている電線の材質などにも、銅が最も良く使われています。
電気を通すためのものは電気抵抗が少ない方が良いので、本当は銀を使えると一番良いのですが、値段が高いので工業用の材料として大量に使うのはなかなか難しいのですね。
また、金も第3位とかなり電気を通しやすい金属ですが、値段も桁違いに高いですね!
超電導
超電導は、特定の金属などの物質を、ものすごく低温になるまで冷やすと、電気抵抗がゼロになる現象のことを言います。
普通の温度であれば、先ほど紹介した最も抵抗が少ない金属である銀でも抵抗はゼロではありませんが、超電導状態となった物質は本当に電気抵抗がゼロになります。
この状態でコイルにして電流を流すと、永遠に電気が流れ続けて強力な電磁石を作ることができます。
これを鉄道の技術に応用したのが、リニアモーターカーになります。
日本でも、ついに2027年を開業目標として東京⇔名古屋間のリニアモーターカーの建設工事がはじまりました。
夢の技術が、もうそろそろ現実のものになりそうです。
人体の抵抗
人間の体の電気抵抗は、条件によって変わってきますが、約5000Ωくらいと言われています。
5000Ωもあるので人体はかなり抵抗が高く電気を通しにくいといえますが、決してゼロではありません。
抵抗がゼロではないので、もし人体に電気が流れてしまうと、感電してしまうのですね。
ちなみに、感電の危険性は電圧ではなく体を流れた電流によって決まり、0.1Aの電流が流れると致命傷になります。
電気は目に見えないので危険を察知しにくいですから、感電などしないように気を付けていかなければなりませんね。
まとめ
以上で、抵抗の単位である「オーム(Ω)」についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- オームは、ボルトとアンペアから定義されている
- 両端が1ボルトの電圧で、そこの1アンペアの電流が流れているとき、そのときの電気抵抗が1オーム
- 1ボルトとアンペアの大きさが先に決まっていて、そこからオームが定義される
- 抵抗の小さい金属は、順番に銀・銅・金
- このうち銅が値段も安いので、工業用に最も一般的に使われている
- 超電導という、電気抵抗がゼロになる不思議な現象がある
電気は私たちの生活になくてはならないものになっており、とても身近なところにありますから、オームの定義を思い出しながらそれらを見ていると、いつもと違って楽しくなるかもしれませんね(^^)
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