ワット(W)。
普段の生活で、電力を表す時に良く用いられる、仕事率を表す単位です。
仕事率というのは、簡単に言うと、「単位時間(多くは1秒)当たりにどのくらいのエネルギーが使われているかを表す数値」です。
そんな普段から良く耳にするワットという単位ですが、どのように定義されているのはあまり分からないところ、ありますよね。
そこで今回は、仕事率の単位「ワット(W)」の定義について徹底解説したいと思います!
また、同じ仕事率の単位である「馬力」についても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
ワット(W)の定義
それでは、早速ですが仕事率の単位であるワット(W)の定義をお伝えします。
こちらです。
毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率
うむ、定義を見ると、ワットは1秒(1s)当たり1ジュール(1J)のエネルギーを発生させる仕事率だったのですね。
しかし、この定義を見ると1秒当たりというところは良く分かりますが、ジュールという単位は普段はあまり馴染みがないので、1ジュールのエネルギーというのがどのくらいか良く分からないですよね。
そこで、1ジュールのエネルギーがどのくらいなのかという具体例をご紹介したいと思います。
こちらです。
1Jのエネルギーの例
- 【運動】50gのテニスボールを23km/hに加速するエネルギー
- 【位置】100gのみかんを1m持ち上げるエネルギー
- 【熱】水1gを0.24℃上げるのに必要なエネルギー
- 【電気】電力10WのLED照明を0.1秒点灯すことができるエネルギー
ワットは1秒当たりのエネルギーになりますから、上記のような1ジュールのエネルギーを1秒間で生じさせる仕事率が、1Wとなる訳ですね。
どれもあまり大きなエネルギーではありませんから、1Wはかなり小さい仕事率だと感じますね!
※エネルギーの単位「ジュール」については別ページで詳しくお話していますので、詳しく知りたい方はこちらにも遊びに来てくださいね。
電力としてのワット
我々が普段生活する上で、この単位が最も身近に出てくるのは家電製品ですよね。
このように、ワットは日常生活でも電力を表す単位として大活躍しています。
そして、ワットは電圧ボルト(V)と電流アンペア(A)を使うと下記のような計算式で計算できます。
「電力(W)=電圧(V)×電流(A)」
例えば、電圧100Vで使っている家電製品に電流が5A流れていたとすると、電力は100V×5A=500Wと計算できます。
※電力の計算方法や、ワットから電気代を計算する方法については別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらもよろしくお願い致します。
身近なもののワット
ここでは、身近なもののワットの数値をご紹介したいと思います。
※k(キロ)は1000倍、M(メガ)は100万倍、G(ギガ)は10憶倍という意味です。
項目 | ワット(W) |
---|---|
携帯電話端末の電波 | 0.7W |
蛍光灯の消費電力 | 30W |
人体の消費エネルギー | 100W |
電子レンジ | 500W |
電気ファンヒーター | 1kW |
家庭用エアコンの空調能力 | 3kW |
乗用車の出力 | 100kW |
電気機関車の出力 | 5MW |
新幹線の出力 | 18MW |
火力発電所の出力 | 1GW |
ワットという単位の名前の由来
ここからは、仕事率の単位の名前が「ワット」になった由来についてお話したいと思います。
その由来は、蒸気機関を発明したことで有名な18世紀のイギリスの発明家「ジェームズ・ワット」です。
ワットは優れた発明者でありながら、「ボールトン・アンド・ワット社」という会社を作って、経済的にも大成功を収めた人物です。
そんなワットの数々の功績の栄誉を称えて、仕事率の単位を「ワット」という名前にすることが決まりました。
一見すると、人物の名前を単位にするなんてちょっと不思議な感じがしますが、実は普段私たちが日常で使っている単位にも、人物が由来のものがたくさんあります。
例を挙げると、下記の表のような単位がそうです。
単位名 | 記号 | 意味 | 由来の人物 |
---|---|---|---|
ニュートン | N | 力 | アイザック・ニュートン |
パスカル | Pa | 圧力 | ブレーズ・パスカル |
アンペア | A | 電流 | アンドレ=マリ・アンペール |
ボルト | V | 電圧 | アレッサンドロ・ボルタ |
ワット | W | 電力 | ジェームズ・ワット |
オーム | Ω | 電気抵抗 | ゲオルク・オーム |
ヘルツ | Hz | 周波数 | ハインリヒ・ヘルツ |
摂氏(セルシウス度) | ℃ | 温度 | アンデルス・セルシウス |
周波数の単位である「ヘルツ」や、電圧の単位である「ボルト」も、実は有名な物理学者の名前が由来になっていたのです。
もう一つの仕事率の単位「馬力」
最後の、もう一つの仕事率の単位「馬力」についてお話します。
馬力も日常生活でたまに聞く言葉ですが、実は馬力もワットと同じ仕事率の単位だったのです。
そして、馬力の定義がこちらです。
1馬力=735.5W
うむ、これは簡潔で分かりやすいですね!1馬力は735.5Wの仕事率だということです。
ちなみに、馬力の由来は、読んで字のごとく馬の力が由来になっています。
この時の馬の力というのは、馬が瞬間的に出せる最大のパワーではなく、馬が継続的に発揮できる力のことを指しています。
なので、1馬力は長い距離を走っていく馬車のパワーというのが分かりやすイメージかもしれませんね。
最後に、ワットと同様に、身近なものの馬力をご紹介したいと思います。
項目 | 馬力 |
---|---|
人間の全力疾走 | 1馬力 |
馬の全力疾走 | 15馬力 |
乗用車 | 100馬力 |
新幹線 | 2万馬力 |
ジェット飛行機 | 5万馬力 |
鉄腕アトム | 10万馬力 |
かの有名な10万馬力の鉄腕アトムは、ジェット機2台分のパワーを持っていたのですね!
鉄腕アトム、流石です(笑)
終わりに
以上で、仕事率の単位、ワットについての話を終わります。
普段日常生活でも何気なく使っているワットですが、奥深くまで知るととても面白かったですね!
これから、家電製品を買うときなどにこの単位を見かけたら、定義を思い出しながら見てみるとより面白いかもしれないですね(^^)
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