住宅の1次エネルギー消費量とは?2次エネルギーとの違いも含め分かりやすく説明!

鉄塔

最近話題の省エネ住宅「ZEH」のエネルギー計算にも使われる住宅の1次エネルギー消費量。普段は、あまり聞きなれない言葉です。

1次エネルギー消費量とはどのようなものなのでしょうか?また、2次エネルギー消費量というのもありますが、それとは違うものなのでしょうか?

このページでは、そんな1次エネルギー消費量とはどのようなものかについて、分かりやすく説明していきます。

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1次エネルギーと2次エネルギー

まずは、1次エネルギーと2次エネルギーについて説明します。

1次エネルギーとは?

1次エネルギーとは、人間が使用するエネルギーのうち、自然界に存在するもののこと指します。例えば、以下のようなものがあります。

  • 石炭
  • 原油
  • 天然ガス
  • 太陽光
  • 地熱
  • 風力

2次エネルギーとは?

2次エネルギーとは、1次エネルギーを加工して、人間が使いやすくしたものになります。原油や天然ガス、太陽光などはそのままではうまく使うことができませんから、原油を精製して灯油やガソリンにしたり、天然ガスを火力発電所で燃やして電気に変えたり、太陽光を太陽光パネルで電気に変えています。その変換した後のエネルギーを2次エネルギーと呼んでいます。例えば、以下のようなものがあります。

  • 灯油
  • ガソリン
  • 都市ガス
  • プロパンガス
  • 電気
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なぜ1次エネルギーで比較?

前の章で、1次エネルギーと2次エネルギーがどのようなものかは分かりました。そうすると次に気になるのは、なぜ1次エネルギーの消費量で比較するのかが気になります。その理由を、お風呂1回を沸かすために必要なエネルギー消費量を例にして説明したいと思います。

お風呂1回のエネルギー消費量

それではここから、お風呂を1回沸かすのに必要な1次エネルギーおよび2次エネルギーの消費量を計算してみたいと思います。お風呂を沸かす給湯器は、下記の5種類で比較します。

給湯器 効率 2次エネルギー
石油給湯器 95% 灯油
ガス給湯器 95% 都市ガス
電気温水器 COP1 電気
エエコキュート COP3 電気

 

どれも、お風呂を沸かすときに良く使われている給湯器ですね。石油、ガス給湯器の効率95%は、実際に燃やした燃料の熱がどのくらい有効に使われたかを示す値です。電気温水器とエコキュートのCOPの値は、使った電気の何倍のエネルギーでお湯を沸かしたかという数値です。COP1の電気温水器は使ったエネルギーと同じ量、COP3のエコキュートは使ったエネルギーの3倍のお湯を沸かせるという意味になります。

豆知識!エコキュートのCOPエコキュートのCOP3という値は、少し不思議な感じがします。使った電気の3倍のお湯を沸かせるなんて、学生の頃に習ったエネルギー保存の法則に反するような気がするからです。この謎は、エコキュートのお湯を沸かす仕組みに隠されています。電気温水器は電気エネルギーを直接熱に変えてお湯を温めているのですが、実はエコキュートは空気の熱を使ってお湯を沸かしているのです。これは、エアコンの暖房と全く同じ仕組みです。外の空気の熱を吸収して、その熱でお湯を温めています。熱を吸収するためのガスを冷媒と呼んでいますが、エコキュートの電力はこの冷媒を動かすために使われています。そのため、実際に使った電気の3倍のお湯を沸かすことができるのです。

では、上記4種類の1次エネルギーおよび2次エネルギーの消費量を実際に計算してみたいと思います。そうすると、計算結果は下記の通りとなりました。 (MJはメガジュールと読み、エネルギー量を表す単位です。

給湯器 エネルギー消費量
2次(MJ) 1次(MJ)
石油給湯器 22.1 22.2
ガス給湯器 22.1 22.5
電気温水器 21.0 57.0
エエコキュート 7.0 19.0

 

より分かりやすいように、これをグラフにしてみます。

1次・2次エネルギー

計算結果を見ると、2次エネルギー消費量で比べると石油・ガス給湯器が高く、エコキュートだけがかなり少ない結果となっています。しかしこれを1次エネルギー消費量で比較すると、石油・ガス給湯器とエコキュートがほとんど同じくらいで、電気温水器だけ極端に多いという結果になります。これを見ると、2次エネルギー消費量と1次消費量エネルギーが全然違うことが分かります。

電気の1次エネルギーが多い理由

上の計算結果をみると、石油やガス給湯器は1次と2次のエネルギーがほとんど変わっていないのに対し、電気を使う電気温水器とエコキュートは1次消費エネルギーがとても多くなっています。なぜ、電気は1次エネルギーの消費量が多くなってしまうのでしょうか?それには、1次エネルギーから2次エネルギーに変換されて、実際に使われるまでの過程に秘密があります。具体的に、1次エネルギーである天然ガスが都市ガスとして使われるときと、電気として使われる場合の過程をみていきたいと思います。

◆都市ガスとして使う場合

採掘→輸送(タンカー)→精製所で都市ガスに変換→輸送(ガス配管)→給湯器で使用

◆電気として使う場合

採掘→輸送(タンカー)→発電所で電気に変換→輸送(送電)→電気温水器で使用

1次エネルギーの天然ガスが2次エネルギーとして使いやすくするための過程でもエネルギーを使用しますから、2次エネルギーは1次エネルギーより必ず低くなります。それでは、1次エネルギーの天然ガスのエネルギーを1とした場合、都市ガスとして使う場合と電気として使う場合、2次エネルギーがどのくらい1次エネルギーより下がるかをグラフで見ていきましょう。

エネルギー減少量

グラフを見ると、都市ガスとして使う場合はほとんど下がっていないのに対し、電気として使う場合はエネルギーの量がかなり下がっています。そしてそのほとんどの原因は、発電所で発電し電気に変換するときです。実は火力発電所で燃料を燃やして電気に変換するときに、燃やしたエネルギーに対して電気に変換できるのは40%しかないのです。それ以外は、熱として捨てられてしまいます。そして日本の電力はほとんどが火力発電所に頼っています。そのため、電気を使ったときの1次エネルギー消費量は、他の燃料に比べて極端に高くなってしまうのですね。

地球資源の消費量を比較するため

これまでのことを考えると、なぜエネルギー消費量を2次ではなく1次で計算しないといけないのかが分かりますよね。ZEHなどの省エネ住宅の目的は、地球資源の使用量をなるべく少なくして地球を守るためですから、実際に資源として失われる1次消費量で計算しないとダメなのですね。単純にガス代や電気代を減らすためには2次エネルギー消費量を減らすことが重要になりますが、地球の資源を守るために省エネのことを考えると、ちょっと違った視点が必要になってくるのですね。

まとめ

以上が、ZEHのエネルギー計算などに使われる住宅の1次エネルギー消費量についてです。

1次エネルギー消費量とはどのようなものなのかや、2次エネルギー消費量の違い、分かりましたでしょうか?ZEH住宅を建てることを検討する際ときなどには、ぜひとも1次エネルギー消費量のことを理解した上で行っていきたいですね!

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