ドナルド・マクドナルド・ハウス。
ボランティアの方によって運営されている、病気の子供やその家族の人のための宿泊施設です。私たち夫婦も、娘の心臓手術の際に実際に福岡市立こども病院そばのふくおかハウスを利用させて頂きました。利用させて頂いた率直な感想は、感謝の一言につきます。このような施設があって、本当に助かりました。このページでは、そんなマクドナルドハウスの利用方法や、実際に利用しての感想などについてお話していきます。
マクドナルドハウスとは?
まずは、マクドナルドハウスの概要を説明します。マクドナルドハウスとは、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンによって運営されている、家から遠く離れた病院に入院している子供とその家族のための宿泊施設です。
もし子供が心臓病などの病気で手術などが必要になったときは、大きな病院で最善の治療を受けさせたいと思うものです。しかし、その病院が家から離れていた場合は、家族の負担は精神的、肉体的、経済的にとても大きなものになってしまいます。そんな家族の負担を少しでも減らすために設置されているのが、このマクドナルドハウスです。ハウスコンセプトは、「わが家のようにくつろげる第二の家」。付き添いの家族がわが家のようにすごせることを願いとして運営されています。そして多くのボランティアの方々の支えによって、一人一日1000円というとても安い値段で利用することが可能です。
利用方法
次は、マクドナルドハウスの利用方法についてです。下記の通り、利用方法を箇条書きでまとめました。
- 利用できるのは、20歳未満の子供が指定の病院に入院または通院している患者本人と、その付き添いの家族。
- 予約は、ハウスに直接出向くかもしくは電話にて。(満室の場合は利用できない)
- 利用可能期間は、ハウスによって異なる。(私が利用させて頂いたふくおかハウスでは、連続滞在期間が最長2週間で、一度退室したあとは再利用できるまで1週間空けなくてはならないというルールでした)
- 利用料金は、1日当たり利用料1000円+リネン代210円。
- 駐車場は、1日300円で利用可能。(ふくおかハウスの場合)
利用しての感想
私たち夫婦が娘の心臓手術の際に利用させて頂いたのは福岡市立こども病院そばのふくおかハウスですが、ここからは実際に施設を使用させていただいての感想を書いていきたいと思います。
- 宿泊費がすごく安い
宿泊費は一人一日1000円+リネン代210円という、ホテルでは考えられないほど安い値段となっています。部屋はホテルでいうところのツイン(シングルベッド2つ)の仕様になっていますから、本当にこの値段は破格です。部屋の大きさもとても広くて、普通のホテルだったら一人1万円は軽くかかると思われます。子供の入院中には何かと経済的な負担が大きくなってきますので、この値段で宿泊できることは何よりもありがたいことでした。
- 土日祝が関係ない
この施設は病気の子供の家族のための施設なので、一般の人が利用することはできません。なので、土曜日の夜だからといった理由で予約が取りにくくなることはありません。福岡は慢性的なホテル不足で、土曜の夜などはすぐにどこのホテルもいっぱいになって予約が取れなくなります。しかしマクドナルドハウスではそのようなことがなく土日祝も利用できるので、ありがたかったです。
- 病院のすぐそばにある
マクドナルドハウスは、入院している子供がいる家族のために建てられているので、当たり前ではありますが病院のすぐそばにあります。心臓手術の直後、集中治療室で入院している状態の娘。親としては、この上ないくらい心配な状態です。そんな中で、病院のすぐ近くに宿泊できるということはすごくありがたかったです。集中治療室での入院ですので面会時間以外に親が何かできることはないのですが、それでも距離的に近い場所、何かあったらすぐに飛んでいける場所にいられるというのは、少しは心が落ち着きます。近くにいられるというだけで、嬉しかったです。
- 部屋がツインで、夫婦一緒にいられる
マクドナルドハウスの宿泊施設は、基本ツインの仕様でできています。つまり、夫婦が一部屋に一緒にいられるということです。また、場合によってはベビーベッドの貸し出しなども可能で、子供も含めて家族全員ですごせます。利用する前は漠然と部屋はシングルだとばかり思っていて、夫婦で別ですごさないといけないと思い込んでいたら、全然そんなことはありませんでした。娘の手術直後の不安な夜。一人になれば、なおさら不安を感じます。夫婦二人でいることができて、本当に助かりました。
- 自炊が可能
長期滞在にあたっては、食事も大きな問題になります。1日3食とも外食やお弁当では、栄養も偏りますし食費もバカになりません。しかしながら、マクドナルドハウスでは自炊できる設備が整っていて、家と同じように料理をすることができます。キッチンや冷蔵庫、冷凍庫や電子レンジなど、家庭にあるものは一通り揃っています。食器や調理道具まであります。長期滞在中には、本当にありがたい設備です。
- 洗濯ができる
自炊と並ぶ長期滞在の問題の一つに、洗濯があります。しかし、マクドナルドハウスにはコインランドリーと同じように洗濯機と乾燥機があり、洗濯も施設内で行うことが可能です。なので長期滞在中でも、洗濯で悩むことはありません。
- 図書室やプレイルームがある
施設内には、図書室や子供用のプレイルームがありました。図書室にはたくさんの本があり、自分の部屋への持ち出しもできたので良く利用しました。子供が入院していると生きる意味や人生などについていろいろ考えさせられますから、それにまつわる本などを読んでいました。
- 本当の家のよう
マクドナルドハウスのコンセプト「” Home-away-from-home “わが家のようにくつろげる第二の家」、本当にこのコンセプト通り、第二の家のような感覚でゆっくりとすごすことができました。これは、ホテルでは絶対に得ることができない感覚だったと思います。精神的、肉体的にも大変な付き添い生活の中で、大きな助けになりました。
- 同じ状況の親の方との出会い
マクドナルドハウスは病気の子供の家族のための宿泊施設ですから、宿泊している親の人たちはみんな同じ境遇にあります。そこでがんばっている方々を見たり話をすると、そこから勇気がもらえて力が湧いてきます。やはり人間、自分一人ではなく少しでも多くの仲間に囲まれていたほうが、気持ちも前向きになってがんばることができます。
- 支えてくださっている方々に感謝
この施設を支えてくださっている方々への感謝は本当に尽きません。ありえないほど安い値段で第二のわが家のような生活ができるのは、運営に関わられている多くのボランティアの方々や、寄付をしてくださっている方々のおかげです。人の温かさというのを、とても強く感じました。本当に、ありがとうございました。
利用に当たって
最後は、利用する際の注意点やルールなどを書いていきます。マクドナルドハウスはホテルではありませんから、ホテルとは違うルールや注意点が多々あります。
- 退室時の掃除は自分で
ホテルではりませんから、退室時の掃除は宿泊者自身で行います。ただ、掃除道具は施設に揃っていますから、道具は借りることができます。掃除は、退室時用のチェックリストがありますので、それに従って隅から隅まで行います。お世話になったハウスへの感謝の気持ちを込めて、また、次に使う人が気持ちよく使えるように、「来た時よりも美しく」の精神で掃除を行っていきたいものです。
- ベッドルームでの飲食は禁止
ベッドルームでの飲食は禁止です。食べるのももちろん、飲むことも禁止です。このルールは、やはりボランティアの施設として多くの人にきれいな部屋を気持ちよく使ってもらいたいところか来ています。万が一、コーヒーなどの飲みこぼしによって床やベッドにシミがついてしまえば、後から使う人が気持ちよく使えなくなってしまいますからね。飲食は、基本的には全て共有スペースであるダイニングで行います。
- タバコ、お酒はもちろん禁止
これは当たり前の話ではありますが、子供が入院して頑張ている中で、親がタバコを吸ったりお酒を飲んだりするわけにはいきません。宿泊者の方は全員そういった境遇の親なのですから、そんな光景を目の当たりしたらとても不快に思うはずです。ハウス内では、禁酒・禁煙は絶対です。
- アメニティグッズは持参
これもホテルではありませんから、アメニティグッズは持参する必要があります。シャンプー・リンス・タオル・石鹸・歯ブラシなどのグッズは、持っていきましょう。
- 他の宿泊者への配慮
ベッドルーム以外のスペースは共有スペースですので、利用する際はお互い気持ちよく利用できるように配慮が必要になります。キッチンやダイニング、リビングスペースなどです。キッチンやダイニングを使ったときはきれいに掃除をしてからその場を離れることや、リビングやダイニングに設置してあるテレビを見るときの音量やチャンネルを気にすることなど、他の宿泊者の方への気遣いも忘れてはいけません。
- 省エネの心がけ
マクドナルドハウスは、多くのボランティアの方や寄付によって支えられ、1日1,000円というとても安い値段で利用することができます。しかしながら、施設として発生した水道光熱費を払わないという訳にはいきません。なので、宿泊の際にはなるべく省エネを心がける必要があります。水を出しっぱなしにしない、エアコンの設定温度を必要以上に上げ下げしない、こまめな消灯、お風呂でお湯を使いすぎないなど、できる限り省エネに努めましょう。
まとめ
以上が、ドナルド・マクドナルド・ハウスの利用方法や実際に使わせて頂いた際の感想です。
もし今あなたが病気の子供を抱えられマクドナルドハウスの利用を検討されていましたら、少しでも参考になれば幸いです。合わせて、お子さんの病気が1日でも早く治って元気にすごせることを、心よりお祈りしています。
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