電流出力(4-20mA)を電圧(1-5V)に変換し、データロガーで計測する方法とは?

電流計

会社での製品開発の仕事や、大学での実験で欠かすことのできない各種のセンサ。温度や湿度、圧力など、世の中にはいろいろな種類のセンサがあります。

そんなセンサの出力方法で良く使われるのが、4-20mAの電流出力です。センサからのアナログ出力は電圧出力と電流出力の2種類がありますが、電流出力はノイズの影響を受けにくかったり、センサと計測器の間のリード線が長くても問題が無いなど、誤差の少ない高精度な計測ができるというメリットがあるので好まれて使われます。

しかし、ここである問題が起きます。センサからの出力をデータロガーにつないで計測したいのですが、データロガーで電流は計測することができないのです!

そのため、電流出力をデータロガーで計測するためには、それを電圧出力に変換する必要があります。このページでは、そんな電流出力を電圧出力に変換する方法について詳しく解説しています。

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電流出力を電圧に変換する

まずは、電流出力を電圧に変換するための仕組みを下の図を使って説明します。

電流電圧変換

図中の矢印は、電流の流れを表しています。プラス側の電源から電流が流れてセンサ、抵抗を通り、マイナス側の電源へ到達します。電流出力では、この電流をコントロールすることによってセンサの値を出力します。例えば、レンジが0~5MPaの圧力センサをつないでいたら、センサは0MPaのときに電流4mAを、5MPaのときに20mAの電流が流れるようにコントロールします。

そして電流から電圧に変換するために、シャント抵抗と呼ばれる抵抗を設置します。図中の、センサ出力とマイナス電源の間に入っている抵抗のことです。シャント抵抗と言われると何かとてもかっこ良く聞こえて特殊な抵抗な気がしますが、だいじょうぶ、そんなことはありません。要はただの抵抗です。例えここに抵抗が入ったとしても、電流出力のセンサでは電流を一定にコントロールする力を持っているので、同じ出力電流を流し続けることができます。

 

豆知識:シャント抵抗シャント抵抗とは、その間の電圧を図ることによって電流値を計測するために、回路に直列に設置される抵抗のことです。電流出力を電圧に変換するときにはまさにこの方法を使っていますから、普通の抵抗にも関わらずシャント抵抗というかっこ良い名前で呼ばれているのですね。

 

ここからは、中学生の理科で習う電流、電圧、抵抗の関係が活躍します。電圧のE、抵抗のR、電流のIという記号をとって、「えりちゃんの法則」なんて習った方も多いのではないでしょうか?電気の公式では「電圧=電流×抵抗」となりますから、抵抗の値が分かっていれば、この抵抗前後の電圧差を図ることによって、電流出力を電圧の値として読み取ることができるのです!

そしてこのシャント抵抗は、250Ωの抵抗が最も良く使われています。それは、250Ωの抵抗を使うと、電圧に変換された出力が1-5Vとなり、データロガーで良く使われる5Vのレンジにピッタリと収まるためです。これは、「電圧=電流×抵抗」の公式を使うと簡単に計算できますね。

  • 4mA×250Ω=1V
  • 20mA×250Ω=5V

こうして、晴れて4-20mAの電流出力を1-5Vの電圧出力に変換することができました!これなら、データロガーでばっちり計測することが可能ですね。

ちなみに、電流出力の下限が0mAではなく4mAなのは、出力の下限と断線を区別するためです。もし下限を0mAにしてしまうと、センサの出力で0になっているのか、電源が入っていなかったりどこかが断線して0になっているのかが分かりませんからね。下限が4mAであれば、出力が0mAとなっていたら、センサの出力ではなくどこかに異常があるのがすぐに分かるというわけです。

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計測に必要な道具

ここからは、実践です。前の章で電流出力を電圧出力に変換する理論的なことを学んだので、その方法で実際にデータロガーで計測する場合にどうするのかについて説明していきます。まずは、計測に必要な主な道具から説明します。

スイッチング電源

まず必要になるのが、スイッチング電源です。

スイッチング電源とは、その名の通り電源をスイッチ(変換)する道具です。小型センサの電源は、DC10~30Vくらいであることが一般的ですので、家庭用のAC100Vをそのまま使うことができません。そのため、AC(交流)100Vの電圧を、適切なDC(直流)電圧に変換する必要があります。

そこで活躍するのが、このスイッチング電源。接続するだけで、家庭用のAC100Vの電圧をDC電圧に変換してくれます。センサの計測で最も良く使われるのは、電源電圧がDC24Vのスイッチング電源です。この電源電圧であれば、大抵のセンサに使用可能です。ただし、センサの種類によって電源電圧は異なりますから、自分の使っているセンサの仕様を確認した上で、正しい出力電圧のスイッチング電源を選ぶ必要があります。

シャント抵抗

次は、シャント抵抗です。電流出力を電圧に変換するためには、抵抗を入手しなければなりません。計測器のシャント抵抗は、市販品としては下記の品物があります。

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この品物は、グラフテックという有名な計測器メーカーが販売している、まさに電流出力を電圧出力に変換するために作られた立派なシャント抵抗です。でも、値段としてはかなり割高。ただの250Ωの抵抗に、その値段は高すぎな気がします。もう少し、安い値段でシャント抵抗を作りたいものです。

そんなときは、汎用品の抵抗を使って250Ωを作りましょう。汎用品の抵抗で250Ωという数値は無くて単品で確保するのは難しいですが、オームの法則で抵抗を直列や並列につなげば、250Ωの抵抗をつくることができます。例えば、100Ωと150Ωの抵抗を直列につなげたり、1kΩの抵抗4本を並列につなげたりといった方法ですね。こうすれば、メーカー純正の立派な製品を使わなくても、市販の激安な抵抗でシャント抵抗を作ることができます。

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抵抗は必ず250Ω?シャント抵抗は出力を1-5Vにするために250Ωの抵抗が広く使われていますが、250Ωでないといけないわけではありません。例えば100Ωの使ったとすると、4mAのときの電圧が0.4V、20mAのときの電圧が2Vになりますから、そのレンジに合わせてデータロガーをスケーリングすれば計測することが可能です。ただ、抵抗の値が大きくなる方向のものを使うときは注意が必要です。抵抗が大きすぎてセンサが電流をコントロールできるレベルを超えてしまったり、抵抗の発熱量が大きくなったり、データロガーとの内部抵抗との差が小さくなって出力電圧の降下が起きてしまったりするためです。

 

端子台

端子台がなくてもリード線を直接つなげばできなくはないのですが、断線やショートの可能性もあって危険ですし、きちんと計測できないかもしれません。そして見た目も、美しくありません。そこで便利なのが、下記のような端子台です。

端子台を使えば、安全かつ美しく、電圧変換のためのリード線の接続を行うことができます。

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データロガーでの計測の仕方

最後は、データロガーでの計測の仕方についてです。電流出力を電圧に変換し、データロガーで計測するためには、下記のようなリード線の配線の仕方になります。

端子台配線

図の実線の部分に、プラス側からマイナス側に向かって電流が流れています。データロガーでは抵抗前後の電圧を測れるようにしないといけないので、その部分の端子台と接続して電圧を計測できるようにします。こうすることによって4mA-20mAの電流出力の変化を1-5Vの電圧へ変換でき、めでたく、データロガーを用いての計測ができるようになりました!

まとめ

以上が、4mA-20mAのアナログ電流出力を、1-5Vの電圧出力に変換して、データロガーで計測できるようにするための方法です。

電流を電圧に変換するなんてなんか難しく感じますが、実は中学生の理科で習う知識で十分理解できる、とても簡単な仕組みだったのですね。これでもう、電流出力のセンサを使うのも怖くありません。ノイズに強い電流出力のセンサをばっちり使用して、バンバン仕事や実験を進めてみてはいかがでしょうか?

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