高気圧と低気圧。
天気予報などでも良く出てくる、私たちにとっておなじみの言葉ですよね。
天気予報を見ていると、高気圧が来ると晴れ、低気圧が来ると雨になるので天気と深く関係していることは何となく想像できます。
しかし、高気圧と低気圧がそもそもどのようなものなのかについては、天気予報を見ているだけでは分からないですよね。
そこで今回は、高気圧・低気圧について徹底的にまとめてみました!
このページでは、高気圧と低気圧の仕組みや天気との関係と合わせて、風向きやいろいろな種類の高気圧や低気圧についてもお話していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
目次
高気圧・低気圧とは?
それでは、早速ですが高気圧と低気圧を一言で説明したいと思います。
こちらです。
- 【高気圧】周りの空気より気圧が高いところで、天気が良くなる。
- 【低気圧】周りの空気より気圧が低いところで、天気が悪くなる。
このように、高気圧と低気圧の違いは、周りの空気と比べて気圧が高いか低いかという点です。
天気予報で良くきくヘクトパスカルでいうと、ヘクトパスカルの数値が大きいところが高気圧、ヘクトパスカルの値が小さいところが低気圧です。
そして毎日の天気用法でおなじみですが、高気圧が来ると天気が良くなって、低気圧が来ると天気が悪くなります。
一言で説明するとこのようになりますが、なぜ天気が良くなったり悪くなったりするのかなど、まだまだ気になることはたくさんあります。
次の章からは、そんな高気圧と低気圧について、さらに深堀りしてお話していきます。
※気圧とはどのようなものなのかについてと、気圧の単位にもなっているパスカルについては別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらにも遊びにきてくださいね。
高気圧と低気圧の仕組み
この章では、高気圧と低気圧の仕組みについてお話します。
まずは、分かりやすいようにイラストにしてみました。
図を見ると分かるように、下降気流があるところに高気圧ができます。
下降気流があるところでは空気が地表に向かって送り込まれるので、周りの空気と比べて気圧が上がります。
これが、「高気圧」になる理由ですね。
そして、下降気流は雲を消すという特徴があるため、下降気流があるところでは雲ができません。
そのため、高気圧が来ると天気が良くなるのですね。
先ほどとは逆で上昇気流があるところには、低気圧ができます。
上昇気流があるところでは地表にある空気がどんどん上に運ばれてしますので、周りの空気と比べて気圧が下がります。
これが、「低気圧」になる理由ですね。
そして上昇気流は雲を発生させるという特徴があるため、低気圧のあるところではどんどん雲が生み出され、やがて雨が降り出します。
そのため、低気圧が来ると天気が悪くなるのですね。
高気圧と低気圧の風向き
この章では、高気圧と低気圧の風向きについてお話します。
高気圧のあるところと低気圧のあるところの風向きは、それぞれ次のようになります。
- 【高気圧】時計回りに風が吹き出す。
- 【低気圧】反時計回りに風が吹き込む。
このような風向きになる理由は、気圧の差によって生まれる気圧の力と、地球の自転によって発生するコリオリの力が関係しています。
この2つがどのように風向きに影響しているのか、イラストを用いて解説していきます。
高気圧の風向き
まずは、高気圧の風向きです。
空気は、気圧の高いところから低いところへ向かって流れるという性質がありますので、高気圧があるところでは、中心から外側に向かって風が流れようとします。
このときまっすぐ外側に進めると良いのですが、地球の自転によって発生するコリオリの力の影響で、北半球では空気が移動するときには必ず右向きの方向に力が掛かります。
そうすると、まっすぐ進もうとしていた空気は右側に曲げられ、だんだん渦を巻き始めます。
このときも、気圧の力は真っ直ぐ外側に掛かり続けるのですが、コリオリの力は進んでいる方向に対して右向きにかかるので、さらに空気は右側に曲げられていきます。
そして、同じ気圧である等圧線と風向きが平行になったとき、最終的に気圧の力とコリオリの力が吊り合って風向きが安定します。
これが、高気圧の風向きが時計回りになる理由です。
低気圧の風向き
次は、低気圧の風向きです。
低気圧では高気圧とは逆で低気圧の中心が一番気圧が低いので、空気は外側から低気圧の中心に向かって流れようとします。
そしてこのとき、高気圧と同様に右向きにコリオリの力が掛かります。
そうすると、低気圧の場合も空気がだんだん渦を巻くようになっていきます。
そして、こちらも風向きが等圧線と平行になったとき、気圧の力とコリオリの力が吊り合って風向きが安定します。
これが、低気圧の風向きが反時計回りになる理由です。
※コリオリの力については別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
いろいろな高気圧・低気圧
最後は、いろいろな高気圧・低気圧をご紹介したいと思います。
移動性高気圧
高気圧はその場に留まるタイプのものと移動していくタイプのものがありますが、移動性高気圧はその名前の通り、移動してくタイプの高気圧です。
日本では、春と秋に良くやってきます。
この時期は、移動性の高気圧と低気圧が周期的にやってくることが多いので、天気の良い日と悪い日が3~4日おきに入れ変わるといったことが良く起きます。
また、日本にやってくる移動性の高気圧は、中国にある揚子江気団という暖かく乾燥した空気で生まれるため、カラッとした暖かさのとても気持ちの良い晴天になります。
春や秋のカラッとした爽やかな晴天は、このようにしてもたらされていたのですね。
太平洋高気圧
太平洋高気圧は、日本の夏に支配している高気圧です。
こちらは、移動性ではなくその場に留まるタイプの高気圧です。
夏になるとこの太平洋高気圧の勢力が強くなって日本をすっぽりと覆って、うだるような暑さが続く日本の夏の主要因となっています。
また、海の上にある高気圧のため、海の上をたくさん通った後の風がくる高気圧の周辺では湿度が高くなり、蒸し暑さや雷雨が発生する原因になります。
温帯低気圧
温帯低気圧は、日本などがある中緯度地域に良く発生する低気圧です。
北側にある冷たい空気と、南側にある暖かい空気がぶつかって低気圧が生まれます。
温帯低気圧の中で、冷たい空気と暖かい空気がぶつかるところを、温暖前線・寒冷前線と言います。
温暖前線は、暖かい空気が冷たい空気に追い付くところにできて、風も弱くシトシトとした柔らかい雨が降ります。
寒冷前線は、反対に冷たい空気が暖かい空気に追い付くところにできます。
こちらの方は天気が荒れやすく、雷や突風、雹などの激しい気象現象が起こることが良くあります。
熱帯低気圧
熱帯低気圧は、熱帯地方で発生する低気圧です。
この低気圧は温帯低気圧と違って、暖かな空気のみで作られた低気圧です。
そしてこの熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17.2m/sを超えると、「台風」と呼ばれるようになります。
※台風の仕組みについては別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらにも遊びにきてくださいね。
まとめ
以上で、高気圧と低気圧の違いについての話を終わります、
まとめると、下記の通りです。
- 高気圧が来ると、天気が良くなる
- 低気圧が来ると、天気が悪くなる
- 高気圧は、周りの空気と比べて気圧が高い部分
- 低気圧は、周りの空気と比べて気圧の低い部分
- 高気圧は下降気流によって発生し、下降気流のあるところでは雲が消える
- 低気圧は上昇気流によって発生し、上昇気流のあるところでは雲が発生する
- 高気圧は、時計回りに吹き出す方向の風が吹く
- 低気圧は、反時計回りに吹き込む方向の風が吹く
高気圧と低気圧の違い、まとめてみるといろいろなことが分かってとても面白かったです!
これから天気予報を見るときに高気圧と低気圧が出てきたら、天気の良し悪しだけではなく、このような仕組みについての目線でも見てみると、天気予報をより楽しく見ることができそうですね(^^)
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