台風。
日本にも夏から秋にやってくる、とても恐ろしい自然災害の一つですよね。
そして台風の気になることの一つに、台風の仕組みがあります。
あのような恐ろしいほどの暴風を発生させる台風は、いったいどのようになっているのでしょうか?
このページでは、そんな台風の仕組みについてと、なぜ反時計回りの渦が発生するのかについてお話していきます。
目次
台風の仕組み
それでは、早速ですが台風の仕組みについてお伝えします。
まずは、分かりやすいように台風の仕組みをイラストにしてみました。
このように、台風は暖かな海水の上で発生します。
これは、台風のエネルギー源が、暖かな海水の上の空気に含まれている、大量の水蒸気の潜熱であるためです。
※台風のエネルギー源については別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらにも遊びにきてくださいね。
ここでエネルギーを得た台風は、どんどん成長して暴風と大雨を伴った嵐へと成長します。
そして台風には上記のイラストのように、内側降雨帯・外側降雨帯・台風の目という大きな3つの要素があります。
ここから、その3つのようについて詳しくお伝えしていきます。
内側降雨帯(アイウォール)
内側降雨帯は、台風の目の周りにある巨大で発達した積乱雲の塊です。
台風の目をから見ると目を取り囲む壁のように見えるので、別名アイウォールとも呼ばれています。
この内側降雨帯の中では強い上昇気流が発生していて気圧がとても低くなり、周囲の空気をどんどん台風の中心に引き込んでいきます。
これが、台風で暴風が発生する主要因になっています。
また、巨大な積乱雲にがあるので強い雨もここでは降っており、内側降雨帯の下ではまさに台風といったとんでもない暴風雨が発生します。
外側降雨帯
外側降雨帯は、先ほどの内側降雨帯の外側にある雲で、ここでも積乱雲が発生しているのですが、中心ほど上昇気流も強くは無く雲も大きくはありません。
そのため、先ほどの内側降雨帯の中よりは風と雨がマシになります。
ただ、この外側降雨帯が梅雨前線や秋雨前線など刺激して台風から離れたところでも大雨になることがあるので注意が必要です。
台風の目
台風の目は、台風の中心にある雲が無い部分です。
台風は反時計回りの暴風が吹き荒れているのですが、中心部分ではその風が打ち消し合ってほぼ無風の状態になります。
そして、台風の目では内側降雨帯とは逆で下降気流となっており、雲が発生せずそこだけ晴れた状態になっています。
また、台風の目は台風の勢力が強ければ強いほど明瞭になり、日本に上陸するときなど勢力が若干衰えてくると、目がはっきりしなくなってくることが多いです。
台風の風向き
次は、第1章でもちょっとだけ出てきましたが、台風の風向きについてお話します。
台風の風向きは、反時計周りに回りながら中心に向かって吹き込むような方向になります。
イラストにすると、このような感じです。
また、このような風向きになるので、台風の進行方向右側は台風の進む方向と重なって風がより強くなるので「危険半円」、進行方向左側は進む方向と風が逆になっていくらか風が弱くなるので「可航半円」と呼ばれています。
※台風の危険半円と可航半円について別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらもご参照ください。
反時計回りの渦ができる理由
ここからは、なぜ台風の反時計回りの渦ができるかの理由についてお伝えしていきます。
気圧差により、空気が中心に向かう
最初は、台風の周りの空気は中心に向かって移動しようとします。
空気は、気圧が高いところから低いところへと移動する性質があるためです。
これは天気予報で良く出てくる気圧の数値である、ヘクトパスカルの数値が小さい方に向かって空気は移動しようとするということを意味します。
※圧力の単位「パスカル」につては別ページで詳しくお話していますので、気になる方はこちらにも遊びにきてくださいね。
この時、真っ直ぐ中心に向かえると良いのですが、北半球では地球の自転によるコリオリの力によって、空気が移動するときに必ず右向きの力が掛かります。
そうすると、本来真っ直ぐ進んでいたはずの空気がだんだん右向きに進行方向がずれていきます。
コリオリの力と遠心力で右向きにどんどん曲げられる
まっすぐ中心に向かおうとした空気がコリオリの力の影響で進行方向が右にずれはじめると、風が渦を巻きだして今度は遠心力も発生してきます。
遠心力とは、車に乗っているときにカーブに入ると、カーブの外側に体が引っ張られるように感じるちからのことですね。
そして、相変わらずコリオリの力は進行方向の右側に向かって掛かり続けるので、空気の進行方向はさらに右側にずれていきます。
等圧線と平行になったところで3つの力が吊り合う
そして最終的に、等圧線とほぼ平行になったところで3つの力が吊り合います。
そうするとようやく風向が安定して、等圧線に沿って台風の中心をぐるぐると回るように反時計回りで回転する渦巻きになります。
ただ、完全に平行になってしまうと、強い上昇気流が発生している中心部の空気がどんどんなくなっていきますので、少しずつではありますが内側に向かって空気が進んでいきます。
こうして、台風は第2章のイラストの雲のように、反時計回りに渦を巻きながら中心に向かって吹き込むような風ができるのです。
※コリオリの力について別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
まとめ
以上で、台風の仕組みについての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- 台風は、大きく内側降雨帯・外側降雨帯・台風の目の3つの要素で構成されている
- 内側降雨帯は、台風の目の周りにある巨大な積乱雲で、その下は暴風雨になっている
- 外側降雨帯は、梅雨前線や秋雨前線と重なると大雨の恐れ有り
- 台風の風は、反時計回りに渦を巻きながら中心に向かって吹き込む
- 反時計回りの風になるのは、気圧の力・コリオリの力・遠心力が吊り合うため
台風の仕組みや反時計回りの渦ができる理由、分かってみたらとてもおもしろかったです。
台風はときに恐ろしい自然災害を発生させますから、台風のことをきちんと理解した上で、災害に備えていきたいですね!
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