完全試合やノーヒットノーランとは?達成条件やその違いについて!

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ノーヒットノーラン達成!

プロ野球などでノーヒットノーランが達成されれば、日本中でとても大きなニュースになります。完全試合となれば、それはもう一大事です。なぜこんなにも大きなニュースになるのかと言えば、言わずもがな、達成するのがすごく難しくてなかなか達成者が現れないからです。

そんな完全試合やノーヒットノーランですが、どうやったら達成になるのでしょうか?また、その違いはなんなのでしょうか?このページでは、完全試合やノーヒットノーランの達成条件やその違いについて詳しくお話していきます。

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達成条件

それでは早速、完全試合とノーヒットノーランの達成条件をみていきたいと思います!

完全試合

まずは、完全試合から。

達成条件

一人のランナーも許さずに勝利

完全試合の達成条件は、一人のランナーも許さずに勝利することです。つまり、安打はもちろん、フォアボールやエラーで出塁されてもダメです。9回終了までに必要なアウト27個を、相手打者の一人たりとも1塁ベースを踏ませずに取る必要があります。

ノーヒットノーラン

達成条件

無安打かつ無得点で勝利

ノーヒットノーランの達成条件は、無安打かつ無得点で勝利することです。ノーヒットノーランを日本語では無安打無得点試合と言いますから、まさに名前の通りの達成条件ですね。こちらは、完全試合とよりも少し達成条件が緩くなって、無安打無得点であれば出塁はされてもOKです。つまり、フォアボールやエラーによって出塁されても、ランナーがホームへ返らなければ記録達成となります。

ちなみに、ノーヒットノーランの「ノーラン」の部分が無得点という意味です。名前からしたら、「ノーランナー」や「ノーホームラン」をイメージしてしまいますが、それは違ったのですね。

もう少し詳しく!

 

完全試合やノーヒットノーランの達成条件ですが、もう少し詳しく見てみると合わせて下記の条件を満たす必要があります。

  • 一人の投手であること(継投はNG)
  • 9イニング以上であること

達成条件に一人の投手というのがあるので、先発したピッチャーが完投したときのみ公式の記録として残されます。継投で達成した場合は、あくまでも参考記録扱いになります。また、9イニング以上である必要があるため、降雨コールドなどで9回に満たないまま試合が終わった場合も、参考記録扱いです。

ちなみに延長戦に入った場合は9イニング以上になりますから、この点に関しては条件を満たすので大丈夫です。しかしながら、例え9回まで無安打無得点でも、延長戦に入って安打を打たれたらその時点で無安打無得点ではなくなりますので残念ながら未達成となります。あと達成条件には勝利も含まれるため、延長戦に入って試合が終わるまで無安打無得点だったとしても、引き分けたり負けたりした場合もダメで参考記録という扱いになります。

ノーヒッター

完全試合とノーヒットノーラン以外に、「ノーヒッター」という記録もあります。実はノーヒットノーランというのは日本のプロ野球で使われる記録で、アメリカのメジャーリーグではノーヒットノーランの代わりにノーヒッターという記録が公式となっています。意味は日本のノーヒットノーランとほとんど同じですが、下記3点の条件が緩和されています。

  • 無安打であれば得点されてもOK
  • 複数の投手でもOK
  • 引き分けや敗戦でもOK

ノーヒットノーランでいう「ノーラン」の部分がなくなっており、四球やエラーで出塁したランナーがホームに返ってもOKです。また、継投も認められていて複数の投手でも大丈夫です。更に、日本の場合は勝利しなければ公式記録として認められませんが、アメリカの場合は例え敗戦したとしてもノーヒットであれば記録が認められます。

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達成者

完全試合やノーヒットノーランの達成条件を見てみると、改めてとても難しいことが良く分かりますよね。そうすると気になってくるのが、今までどのくらい達成者がいるのかです。

そこで、日本のプロ野球と、アメリカのメジャーリーグ(MLB)の完全試合とノーヒットノーラン(MLBはノーヒッター)の達成者をまとめてみました!(2018年8月22日現在)

プロ野球MLB
完全試合15回23回
ノーノー90回
ノーヒッター299回

平均すると、ノーヒットノーランやノーヒッターは日本では1年に1回、アメリカでは1年に2回~3回くらいのペースで達成されています。日本では年間で約850試合、アメリカでは年間約2400試合が行われていますから、どちらも1000試合に1回程度の確率(=0.1%)で起きています。完全試合はそれから更に10分の1くらいに減っていますので、10000試合に1回程度の確率(=0.01%)でしか起きないということになります。ノーヒットノーランや完全試合がいかに難しいかが良く分かりますよね。

ちなみに、確率0.1%はナンバーズ3が当たる確率、確率0.01%はナンバーズ4が当たる確率と同じです。まさか、ナンバーズ4の当選確率が完全試合と同じだなんて、それはなかなか当たらないはずですよね。また、ジャンボ宝くじの当たる確率は1000万分の1なので、ナンバーズ4が当たる確率のさらに1000分の1になります。つまり、プロ野球を1試合見に行ってその試合が完全試合であることより、ジャンボ宝くじを1枚買って1等を当てるほうが1000倍も難しいということです。ジャンボ宝くじ、もはや全く当たる気がしません(笑)

そして、そんな難しい完全試合のプロ野球での達成者一覧がこちらです。

達成年球団達成者
1950年巨人藤本英雄
1955年近鉄武智文雄
1956年国鉄宮地惟友
1957年国鉄金田正一
1958年西鉄西村貞朗
1960年大洋島田源太郎
1961年国鉄森滝義巳
1966年大洋佐々木吉郎
1966年西鉄田中勉
1968年広島外木場義郎
1970年近鉄佐々木宏一郎
1971年東映高橋善正
1973年ロッテ八木沢荘六
1978年阪急今井雄太郎
1994年巨人槙原寛己

こうしてみると1970年代まではそこそこ達成者がいますが、1980年以降は激減して1994年の槙原寛己ただ一人になっています。そして2018年8月22日現在、もう23年以上完全試合は起きていません。逆にメジャーリーグでは完全試合は近年増加傾向にあり、2012年には年間に3度も完全試合が達成されました。

また、この15回のなかでDH制が採用された試合で達成されたのは、1978年の1回のみです。投手が打席に立つかどうかでも、達成の難しさが変わってくるのですね。現在はセ・リーグはDH無し、パ・リーグはDH制有りですから、完全試合が見られるとしたらセ・リーグの方が確率が高そうですね。

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記録と記憶

完全試合やノーヒットノーラン、達成するのがものすごく難しくてとても珍しい記録のため、達成した記録と共に記憶にも残る名場面が数多くあります。最後に、我々の記憶に強く残っている3つの記録についてふれてみたいと思います。

◆継投での完全試合

2007年の日本シリーズ第5戦、中日vs日本ハムの試合で、中日の山井大介と岩瀬仁紀でレギュラーシーズンも含めて初の継投による完全試合が達成されました。正確には、完全試合は一人の投手が投げぬいたときに正式に記録されますからこれは参考記録にはなりますが、普通は8回まで完全試合ペースのピッチャーを代えたりしないので、ある意味で普通の完全試合よりも大記録であると言えます。

当時、誰もがポストシーズンで初の完全試合達成を期待して山井コールが起こる中、9回のマウンドに上がったのはまさかの岩瀬。球場は騒然となりました。

この時の中日の監督はオレ流で有名な落合監督でしたが、53年ぶりの日本一が目前だったこと、先発の山井がマメを潰して出血していたこと、山井自身が岩瀬の方が良いと思ったこと、スコアが1-0で僅差だったこと、岩瀬が絶対的な守護神だったことなど、交代には様々な要因が絡んでいたようです。

そんな8回まで完全試合のマウンドを引き継いだ岩瀬、ものずごいプレッシャーがあったと思いますが、見事3者凡退に打ち取り継投による完全試合という前代未聞の珍記録が達成されました。それと同時に、中日は53年ぶりの日本一を達成。今なお語り継がれる、伝説の試合となりました。

◆甲子園決勝でのノーノー

甲子園で記憶に残るノーヒットノーランと言えば、やはり1998年、第80回大会で松坂大輔が決勝戦で達成したノーヒットノーランです。

当時の横浜高校は史上最強チームとも言われており、事実松坂を筆頭とする新チームになってからは、秋の神宮大会、春の選抜甲子園、夏の選手権甲子園、国体と全ての全国大会で優勝し、1年間公式戦無敗というとてつもない記録を作った世代です。これはPL学園や大阪桐蔭といった超強豪校でも未だ達成したことがない、後にも先にもこの年の横浜高校だけというすごい記録です。

そんな最強世代の横浜高校、夏の甲子園ではドラフト1位確実の松坂がどんな投球をするのかや、春夏連覇が掛かっており、日本中の注目を集めていました。大会ではPL学園と延長17回との死闘に勝利するなど前評判通りの実力で決勝戦まで駒を進め、その決勝で見事ノーヒットノーランを達成したのです!

そしてこの世代には横浜高校以外にも実力がある選手がとても多く、後にプロ野球で「松坂世代」という言葉が生まれるまでになりました。

◆準完全試合

ノーヒットノーランの中には、あと一歩で完全試合だったのにというパターンもあります。フォアボールが1つだけだったり、エラーが一つだけだったりと、出塁したランナーが一人だけだった場合です。そんなノーヒットノーランのことを、準完全試合と表現したりもします。その中で最も悔しいのが、9回2アウトまで完全試合ペースだったのに、あと一人のところで出塁を許してしまう場合です。

2012年、巨人の杉内俊哉が楽天相手にノーヒットノーランを達成した時がまさにこのパターンでした。9回2アウトまで一人のランナーも許さず、27人目の打者も1ボール2ストライクと追い込みながら、そこからボール3つでフォアボールになってしまったのです。見ているファンからしたら残念で仕方なかったと思うのですが、当の本人は「完全試合はまあできたら嬉しいけど、勝つことが大事だからむやみにストライクを狙い甘いコースに投げて打たれる訳にはいかない」と思っていて、あまり落胆はなかったようです。そして集中力を切らさずに次の打者を三振に仕留めて、準完全試合という形でノーヒットノーランは達成という結果になりました。

ちなみに杉内は高校時代にも夏の甲子園1回戦でノーヒットノーランを達成しているのですが、その年の決勝戦でなんど先ほどお話した松坂の決勝戦でのノーヒットノーランが起きてしまったのです!もちろん世間の注目は松坂一色となり、杉内の達成したノーヒットノーランは非常に影が薄いものになってしまいました。

こんな杉内選手、高校野球の甲子園とプロ野球の2つの舞台でノーヒットノーランを達成した史上唯一のすごい選手なのですが、何か達成の仕方に残念なところがある不運な投手でもありますね。

まとめ

以上が、完全試合やノーヒットノーランの達成条件や違いについてです。

完全試合やノーヒットノーランは、とても難しくてなかなか見ることができないので、その瞬間がやってきたときにはとても興奮しますよね。

果たして次の完全試合やノーヒットノーランはいつ誰が達成するのか?そんなことも気にしながらプロ野球や高校野球を見るのも野球の面白さの一つになりますね。

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