オームの法則。
中学理科で習う法則の中で、最も重要な法則の一つです。
オームの法則は電気に関する法則で、電圧はボルト(V)・抵抗はオーム(Ω)・電流はアンペア(A)の関係性を表したものです。
内容としては、この3つはそれぞれ関係性を持っていて、2つの数値が分かれば残り1つの数値を計算できるという特徴を示しており、テストの問題などにも非常に良く出てきます。
また、大人になってからも、電気に関する最も基本的で重要な知識の一つになりますので、電気を扱う仕事についたときには絶対に理解しておかないといけない項目です。
そこで今回は、そんなオームの法則について分かりやすくまとめてみました!
また、「えりちゃんの法則」という面白い覚え方や、計算の例題についても載せていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
オームの法則の計算方法
それでは早速ですが、オームの法則に従った電圧ボルト(V)、抵抗オーム(Ω)、電流アンペア(A)の計算方法をお伝えします。
こちらです。
電圧(V)=抵抗(Ω)×電流(I)
抵抗(Ω)=電圧(V)÷電流(I)
電流(I)=電圧(V)÷抵抗(Ω)
この3つの公式が、オームの法則の計算式です。
単純な掛け算と割り算なので、難しい計算は一つも無く、一度覚えてしまえば簡単に計算することができますね!
次の章からは、計算式の覚え方や例題など、さらに深堀りしてみていきますよ。
分かりやすい「えりちゃん」の法則!
この章では、オームの法則の分かりやすい覚え方をお伝えします。
それは、「えりちゃんの法則」です。
私が中学生の時、理科の先生が教えてくれてすごく分かりやすかったので、ここでご紹介したいと思います。
電圧・抵抗・電流は、その値を表す時に、それぞれ次のような記号を用いることが良くあります。
- 電圧(V)の値=「E」
- 抵抗(Ω)の値=「R」
- 電流(A)の値=「I」
そして実は、電圧・抵抗・電流の公式は、距離・速さ・時間の公式で有名な「はじきの法則」と全く同じ形をしているのです。
そこではじきの法則のようにしてみると、電圧・抵抗・電流はこのようになります。
そうすると、「ERI」という単語の並びになるので、語呂合わせで「えりちゃんの法則」となるのですね。
そして「えりちゃんの法則」を見ると、すぐにオームの法則の公式を思い出せます。
- E=RI(電圧=抵抗×電流)
- R=E/I(抵抗=電圧÷電流)
- I=E/R(電流=電圧÷抵抗)
試験中などで緊張しているときは公式をど忘れしてしまうことが良くあると思いますが、この覚え方ならすぐに思い出せるので、試験中でも安心ですね(^^)
※本家「はじきの法則」は別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらのページにも遊びに来てくださいね。
計算の例題
ここまでは計算の仕方を学んできましたので、ここからは実際に計算をしてみたいと思います!
電圧の求め方
まずは、電圧ボルト(V)の求め方です。
【例題】ある電子回路に20Ωの抵抗があって、そこに流れている電流を測ると3A流れていました。このとき、この抵抗の前後の電圧は何ボルトになりますか?
えりちゃんの法則で確認すると、電圧は抵抗×電流になりますので、例題の計算は次のようになります。
- 20Ω×3A=60V
こうして、抵抗の前後の電圧が60Vであることが分かります。
抵抗の求め方
次は、抵抗オーム(Ω)の求め方です。
【例題】ある電子回路で、抵抗Yの前後の電圧を測ると50Vで、流れている電流は2Aでした。このとき、抵抗Yは何オームになりますか?
えりちゃんの法則で確認すると、抵抗は電圧÷電流になりますので、例題の計算は次のようになります。
- 50V÷2A=25Ω
こうして、抵抗Yの値が25Ωであることが分かります。
電流の求め方
最後は、電流アンペア(A)の求め方です。
【例題】ある電気回路に10Ωの抵抗があり、その前後の電圧を測ると30Vでした。この時、抵抗に流れている電流は何アンペアになりますか?
えりちゃんの法則で確認すると、電流は電圧÷抵抗になりますので、例題の計算は次のようになります。
- 30V÷10Ω=3A
こうして、この抵抗に流れている電流が3Aであることが分かります。
オームの法則の名前の由来
最後は、「オームの法則」という名前の由来についてお話しようと思います。
オームの法則の名前の由来は、この法則を発見したドイツの物理学者「ゲオルク・ジーモン・オーム」です。
このようにオームさんが発見したので、彼の名前が使われて「オームの法則」になったのですね。
ちなみにオームの法則が公表されたのは1827年で、今から約200年前のことです。
逆に言えば、現代はまだオームの法則が発見されてからたった200年しか経っていないということです。
しかし今では、人間の社会は家電製品で溢れかえるようになっています。
そう考えると、電磁気学発展のスピードの速さに、本当に驚かされるものがありますね。
オームの法則を最初に世の中に公表したのはオームさんでしたが、実は1781年にイギリスの物理学者「ヘンリー・キャベンディッシュ」が既にオームの法則を発見していたことが後日分かっています。
ヘンリーさんは、オームさんより40年以上も早い1781年にオームの法則を発見しましたが、世の中に公表することはなく、それが分かったのは彼の死後から70年近くたった1879年のことでした。
もしも彼が存命中にこの法則が分かったことを発表していたら、法則の名前が「ヘンリーの法則」になっていたかもしれませんね。
まとめ
以上で、オームの法則についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- オームの法則は、電圧V・抵抗Ω・電流Aの関係式
- この3つは、どれか2つが分かれば残りの1つが分かる
- 電圧=抵抗×電流
- 抵抗=電圧÷電流
- 電流=電圧÷抵抗
- 「えりちゃんの法則」という覚え方がある
- 「オームの法則」の名前の由来は、発見者であるドイツの物理学者「ゲオルク・ジーモン・オーム」さん
理科の先生が教えてくれた「えりちゃんの法則」は、計算がとても覚えやすくて便利だと思います。
しっかりと計算の仕方をマスターして、学校のテストや仕事などで役立たせていきたいですね(^^)
また、オームの法則とも関係が深い、電力の計算方法・直列つなぎと並列つなぎの特徴・合成抵抗の計算方法や、このページで出てきたボルト・オーム・アンペアの定義についても別ページでお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
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