関門海峡。
本州と九州の境目となっている海のことですよね。本州と九州を行き来するためには、必ずここを通らなければなりません。
そして関門海峡を渡るための方法は一つではなく、いくつかの交通手段で渡ることが可能です。
そうすると気になってくるのが、関門海峡を渡るそれぞれのルートの料金や、どういった特徴があるかということです。
そこで今回は、そんな関門海峡を渡る時の全ルートの料金と特徴をまとめてみました!
それぞれのルートについて、関門海峡のお膝元・下関に住んでいる星野なゆたが分かりやすくお話していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)
目次
関門海峡の全ルートの概要
まずは、早速ですが関門海峡を渡るための全ルートの概要をお伝えします。
こちらです。
ルート名 | 交通手段 | 料金 |
---|---|---|
関門トンネル | 車(一般道) ※原付NG | 有料 |
関門橋 | 車(高速) | 有料 |
関門鉄道トンネル | 電車 | 有料 |
新関門トンネル | 新幹線 | 有料 |
関門連絡船 | 船(人用) | 有料 |
関門トンネル人道 (6:00~22:00) | 徒歩 | 無料 |
自転車(乗車NG) | 有料 | |
原付(乗車NG) | 有料 |
関門海峡を渡る方法は、こんなにもたくさんあったのですね!
このうち、無料で渡れるのは関門トンネル人道を使った徒歩のみで、車や電車など乗り物を使った場合は全て何かしらの料金が掛かります。
そんな関門海峡の各ルートですが、地図で確認するとそれぞれこのようなところを通っています。
関門橋と関門トンネル、新幹線がだいたい同じところ、関門海峡が一番狭くなる部分を通っていますね。
電車はちょっと離れていて、他よりもかなり西側のところを通っています。
ちなみに船の場合は、上の地図では唐戸市場と門司港駅を海上で結ぶようなルートになります。
各ルートの詳細
それではここからは、各ルートのより詳細な料金や特徴についてお伝えしていきます!
関門トンネル(一般道)
まずは、関門トンネルの料金と特徴の詳細です。
関門トンネルを通るのに必要な料金は、こちらになります。
車種 | 料金 |
---|---|
軽自動車等 | 110円 |
普通車 | 160円 |
中型車 | 210円 |
大型車 | 260円 |
特大車 | 420円 |
軽車両 | 20円 |
そして関門トンネルには、このような特徴があります。
関門トンネルの特徴
- 有料の一般道(国道2号線)
- トンネルの距離は、3,461m
- 徒歩、自転車、原付の通行は不可(人道利用)
- 支払いは、現金もしくはクレジットカード
- ETCは設置されておらず、手渡しでも使えない
- 車線は、片道一車線
- 交通量は多く、日中は良く渋滞する
- 危険物積載車は通行不可
この中で最も気を付けなければならないのは、支払いにETCカードが使えないことです。ゲートが無いどころか、手渡しでも不可です。
ETC全盛の今でもETCが使えない理由は、入り口で料金を徴収する時間をあえてかけることにより、トンネル内に入る車の量を調整しトンネル内での渋滞が起こらないようにしているためのようです。
海底トンネルという特殊さ故に、トンネル内で渋滞が発生し事故が起きたりすると、危険が増したり事故の処理に時間がかかる可能性があります。
ETCを設置すれば、車がどんどんトンネルの中に入ってしまいそのような状況になってしまうので、設置が見送られているのですね。
関門橋(高速)
次は、関門橋の料金と特徴の詳細です。
関門橋を通るのに必要な料金は、こちらになります。(下関IC⇔門司港IC間の片道料金です)
車種 | 通常料金 | ETC料金 | 深夜割引 | 休日割引 |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 320円 | 260円 | 180円 | 180円 |
普通車 | 370円 | 280円 | 200円 | 200円 |
中型車 | 370円 | 300円 | 210円 | 設定なし |
大型車 | 630円 | 360円 | 250円 | 設定なし |
特大車 | 1000円 | 480円 | 340円 | 設定なし |
そして関門橋には、このような特徴があります。
関門橋の特徴
- 高速道路の一部
- 全長1068m
- 海面から道路までは約60m
- とても景色が良い
関門橋の特徴は、何といってもその景色の良さにあります。
関門海峡は多くの船舶が使用するとても重要な航路なので、橋を作っても大型船が問題なく通れるようにしておかなければなりません。
そのため、道路の高さは海面から約60mの位置を通っています。これは、高層ビルの20階と同じくらいの高さです。
西側では北九州と下関の市街地の景色を、東側では周防灘一面の美しい景色を見ることが可能です。また、夜になると門司、小倉、下関の夜景も同時に見ることができ、夜景もすごく綺麗です。
ただ、当たり前ではありますが運転中によそ見をして景色を見るのは当然NGです。関門橋から景色を楽しむのは、同乗中やバスの中など、ハンドルを握っていないときに行いましょう。
また、下関⇔門司港ICの普通車の休日ETC料金は200円で、関門トンネル通行料金の160円とわずかな差しかありません。
これくらいの差であれば、景色も良くて気持ちよく走れる関門橋を、たまにはトンネルの代わりに走っても良いかもですね。
電車(関門鉄道トンネル)
次は、電車で関門海峡を渡るときの料金と特徴の詳細です。
電車で関門海峡を通るのに必要な料金は、こちらになります。
区間 | 料金 |
---|---|
下関⇔門司 | 230円 |
下関⇔小倉 | 280円 |
下関⇔門司港 | 280円 |
そして電車で関門海峡を通る時には、このような特徴があります。
電車の特徴
- 在来線での移動手段
- 下関駅⇔小倉間の移動がとても便利
- 単線のトンネルが2本ある
- 全長は約3610m
- 門司駅側にデッドセクションがある
電車で移動することの最大のメリットは、下関駅⇔小倉駅間の所要時間の短さです。電車であれば、この間を13分というとても短い時間で移動することができます。
しかし、同じ下関駅⇔小倉駅間を車を使って一般道で移動した場合、何とその所要時間は40分もかかります。
これは、車の通れる関門トンネルの入り口が新下関にあって下関市街地から少し離れているので、車で下関駅⇔小倉駅を移動しようとした場合、距離的にものすごく遠回りになってしまうためです。また、門司から小倉にかけては車の量も多く、渋滞もしばしば発生します。
なので、下関から小倉に遊びに行ったり買い物に行ったりするときは、電車がすごく便利です。あと、電車であればお酒を飲んでももちろんOKなので、それも大きなメリットですね(笑)
ちなみに、関門海峡の九州側の駅にあたる門司駅の手前には、全国でも珍しい「デッドセクション」という区間があります。デッドセクションとは、直流電源で走っているJR西日本と、交流電源で走っているJR九州の境界にある、無通電区間です。
デッドセクションでは電車に電気が全く供給されなくなるので、この区間では電車は惰性走行で走ります。そして車内の照明も消えて非常灯だけになるので、夜などに初めて乗ったときには、いきなり電気が消えるので結構ビックリします。
※直流電車と交流電車の違いについては別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
新幹線(新関門トンネル)
次は、新幹線で関門海峡を渡るときの料金と特徴の詳細です。
新幹線で関門海峡を通るのに必要な料金は、こちらになります。(新下関駅⇔小倉駅間の片道料金です)
座席 | 料金 |
---|---|
自由席 | 1200円 |
指定席 | 2620円 |
グリーン席 | 3390円 |
そして新幹線で関門海峡を通る時には、このような特徴があります。
新幹線の特徴
- 全長は18,713m
- 関門海峡を渡るだけなら不向き
山陽新幹線の新下関⇔小倉間はこのトンネルで結ばれており、新幹線でも関門海峡を渡ることができます。最近では九州新幹線も全線開通し、九州と中国・関西地方を新幹線で移動するのにとても便利になりました。
新幹線を使っていると、あまり関門海峡を渡っているという意識ではなく、ただ単に長いトンネルを通っているだけという感覚になりますが、このトンネルも本州と九州を結ぶ非常に重要なトンネルの一つに現在はなっていますね。
ただ、関門海峡を渡るためだけに新幹線に乗るのは、値段が高いのでちょっと不向きですね。
船(関門連絡船)
次は、船で関門海峡を渡るときの料金と特徴の詳細です。
船で関門海峡を渡るのに必要な料金は、こちらになります。
区分 | 料金 |
---|---|
大人 | 400円 |
小人 | 200円 |
そして船で関門海峡を渡る時には、このような特徴があります。
船の特徴
- 日中は、1時間当たり3本に頻度で運行
- 唐戸⇔門司港間を最短で移動できる
- 海からの目線で景色を楽しめる
- フェリーではないので、車は乗せられない
関門汽船という会社によって運行されている関門連絡船によって、唐戸⇔門司港間を船で移動することができます。
関門連絡船の最大のメリットは、関門海峡の2大観光スポットである、下関の唐戸と北九州の門司港が直結されているところです。唐戸と門司港を車や電車で移動しようとすると、どうしても遠回りせざるを得ずかなり時間がかかってしまいます。
しかし、関門連絡船を使えばこの間を5分という短時間でとても楽に移動することができます。せっかく遠くから観光に来たのだから、関門海峡の下関側と門司側の両方を楽しみたいという場合には、必須の交通手段として使えます。
また、関門海峡を海面の目線で景色を楽しめる唯一の交通手段であり、船から眺める関門海峡の景色もなかなかおつなものがあり良い感じです。
あと、多くの巨大船舶が関門海峡を横方向に移動している中で、関門連絡船はそれを真っ二つに横切るように縦方向に移動します。そのため巨大船舶も間近で見れて、その大迫力な光景も楽しむことができます。ただ、絶対に安全なように舵が切られているのはわかってはいるものの、巨大船舶にぶつかりやしないかとちょっとヒヤヒヤします(笑)
関門トンネル人道(徒歩・自転車・原付)
最後は、徒歩・自転車・原付で関門トンネル人道を通行するときの料金と特徴の詳細です。
関門トンネル人道を通るのに必要な料金は、こちらになります。
交通手段 | 料金 |
---|---|
徒歩 | 無料 |
自転車(乗車NG) | 20円 |
原付(乗車NG) | 20円 |
そして関門トンネル人道には、このような特徴があります。
関門トンネル人道の特徴
- 歩いて関門海峡を渡れる
- 自転車、原付は乗るのはNGで押して歩く
- 距離は780mで、約15分の時間がかかる
- 入口出口は、海沿いにある
- 通れる時間は、6:00~22:00
関門人道トンネルは、実は車の関門トンネルと同じトンネルを使用しており、車道のすぐ真下を人道が通っているという構造になっています。そのため、この歩道も立派な国道2号線の一部になっています。
ただし、入口出口は車道とは全く違うところにあり、下関側、門司側ともに海岸のすぐ近くにあります。そしてそこからエレベーターを使ってトンネルまで下ります。
通行料金は徒歩の場合は無料ですが、自転車・原付の場合は20円の通行料がかかります。また、トンネル内では自転車・原付に乗ることは禁止されていますので、自転車も押して歩く必要があります。
関門人道トンネルのメリットは、何といっても歩いて関門海峡を渡れることです。海を隔てる海峡トンネルを徒歩で移動できるのは、世界的にみてもとても珍しい場所です。なので、観光スポットとして人気になっており、海底を徒歩で移動するという非日常的な体験をすることができます。
ただ、下関側の入り口も門司側の入り口も、主要な観光スポットや市街地から少し離れた場所にあり、単純な移動手段として使用するのは少し不便なところがあります。
おまけ
最後は、ちょっとおまけです。
関門海峡を泳いで渡ることはできるのかと、新たなルートとして計画されている第二関門橋のお話をしたいと思います。
泳いで渡る!?
やる人はいないと思いますが、関門海峡を泳いで渡るのはあまりにも危険なので絶対にやめましょう!
関門海峡は、狭いところでは両岸の距離は約600mと泳ぎが得意な人にとっては十分に渡りきれる距離ですが、潮流があまりにも早いのと、船の往来があまりにも多いので、泳いで渡ることはまず不可能です。確実に死にます。
今のご時世、わざわざ関門海峡を泳がなくても、上記のような安全に渡れる手段がたくさんありますから、それらの手段を使って関門海峡を渡りましょう(笑)
第二関門橋(下関北九州道路)が計画中!?
また、関門海峡を渡るための手段として、新たな道路も計画されています。それは、今の関門橋に次ぐ二本目の橋で、第二関門橋(下関北九州道路)と言われています。
この道路は、現在の関門橋とは少し離れた、彦島と小倉を結ぶルートで計画されています。目的は、関門橋の災害時のバックアップや、下関と小倉を最短距離で結ぶことによる経済の活性化です。
また、この道路については別ページでも詳しくお話していますので、興味がある方はこちらにも遊びにきてくださいね。
まとめ
以上で、関門海峡の渡り方の、全ルートの料金や特徴についての話を終わります。
まとめると、下記の通りです。
- 車・電車・新幹線・船・徒歩など、色々な手段で渡れる
- 一般道の場合は、関門トンネル
- 高速の場合は、関門橋
- 電車は、下関⇔小倉駅間の移動が便利
- 関門トンネル人道があり、徒歩でも渡れる
- 関門海峡の二大観光スポットである唐戸⇔門司港の移動は船が便利
関門海峡を渡るための様々なルートの料金や特徴、お分かり頂くことはできましたでしょうか?
このように色んなルートがありますが、時や場合・状況などを考えて、最適な交通手段で関門海峡を渡っていきたいですね(^^)
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