標高によって気温・気圧の変化が起こる理由とは!山の上はなぜ寒い?

モンブラン

高い山の上の気温と気圧。

高い山に登山をした時などに特に感じると思うのですが、標高が上がるにつれてどちらもどんどん低くなっていくのが分かります。

山の上は平野部と比べたらとても寒いですし、空気が薄くなっていてすぐに息が切れる感じになります。

そうすると気になってくるのが、高い山ではどのくらい気温や気圧が下がるのかということです。

そこで今回は、高い山の上の気温と気圧がどのくらい下がるのかを分かりやすくまとめてみました。

合わせて、気温と気圧がなぜ下がるのかの理由についてもお話していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね(^^)

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標高ごとの気温・気圧の数値

それでは、さっそくですが標高ごとの気温と気圧の数値をお伝えします。

こちらです。

標高ごとの気温と気圧

やはり標高が上がれば上がるほど空気の温度と気圧はどんどん下がっていきます。

例えば、標高0m地点の空気の温度と圧力が25℃・1013hPa(1気圧)とすると、それぞれの山の山頂の気温と圧力はこのようになります。

山の名前
標高(m)
気温(℃)
気圧(Pa)
気圧(atm)
(海面)
0
25
1013
1
桜島
1117
17.8
890
0.88
富士山
3776
0.5
645
0.64
マッターホルン
4478
-4.1
590
0.58
エベレスト
8848
-32.5
328
0.32

このように、日本最高峰の富士山の山頂では気温は約0℃、気圧は海面の約2/3になります。

世界最高峰のエベレストになると、気温は約-30℃、気圧は海面の約1/3です。

だから高い山に登る時には、厳重な寒さ対策や、空気が薄くなることによって発症する高山病の対策がとても大事になってくるのですね。

※気圧が発生する仕組みや、気圧の単位であるPa(パスカル)については別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらにも遊びにきてくださいね。

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気温と気圧の下がり方

ここからは、気温と気圧が標高によってどのくらい下がるのかについてお話します。

気温の下がり方

まずは、気温の下がり方です。

標高と気温の下がり方をグラフにすると、このようになります。

標高と気温のグラフ

このように気温の下がり方は一定で、その割合を「気温減率」といいます。

そしてその割合は、下記の通りとなります。

気温減率

-6.5℃/1000m

これは、標高が1000m上がるたびに気温が6.5℃下がることを表しています。

簡単に計算できますから、もし登山をするときなどは、山頂の気温がどのくらいなるか予め計算してから服装などを選んでいきたいですね。

豆知識!乾燥断熱減率と湿潤断熱減率
気温減率は平均すると「-6.5℃/1000m」になりますが、実は乾燥した空気と湿った空気ではその値が変わります。乾燥した空気だと「-10℃/1000m」、湿った空気だと「-5℃/1000m」となり、湿った空気の方が気温の下がる割合が低くなります。これは、湿った空気が上昇して空気の中の水蒸気が水に変わるとき(雲が発生するとき)、潜熱という熱が放出されて回りの空気を暖めるからです。

※潜熱については別ページで詳しくお話していますので、興味のある方はこちらのページにも遊びにきてくださいね。

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気圧の下がり方

次は、気圧の下がり方です。

標高と気圧の下がり方をグラフにすると、このようになります。

標高と気圧のグラフ

このように、気圧の減り方のグラフもほぼ直線になりますが、完全な直線となる気温と違って、少し2次曲線のような形になります。

そのため、気温と違ってはっきりとした気圧が減る割合といのはありませんが、標高4000m以下ではおよその目安として下記のものが使えます。

気圧が減る割合の目安

100Pa/1000m

これは、標高が1000m上がるたびに気圧が約100Pa下がることを表しています。

空気が薄くなって高山病になる可能性が出てくる標高は約2500m(約750hPa)くらいからと言われていますから、これ以上の高さの山に登る時は、高山病対策が必須になりますね。

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気温と気圧が下がる理由

ここからは、気温と気圧がなぜ下がるのかについてお話します。

気温が下がる理由

まずは、標高が上がると気温が下がる理由についてお話します。

まずは簡潔にお伝えすると、下記のような理由になります。

気温が下がる理由
  1. 空気は地表から暖まる
  2. 暖かくなった空気は軽くなって上昇する
  3. 上昇すると断熱膨張という現象が起きて気温が下がる

このことを、更に深掘りして解説していきます。

地球は太陽によって暖められていますが、最初は主に地表や海面から暖まります。

これは、地球は太陽から放射される電磁波のエネルギーによって暖まるのですが、大気は直接太陽からやってくる電磁波を吸収しにくいため、電磁波の多くが地表や海面届くからです。

そして地表や海面が暖まると、そこに接している大気の一番下側の空気がまず暖まります。

まずは地面から暖まる2

すると、空気は暖められると軽くなるという性質があるので、地表付近の軽くなった空気は上昇を始めて上昇気流になります。

そしてこのとき、これまで述べてきた通り高度が上がれば上がるほど気圧が下がるので、このとき上昇する空気には「断熱膨張」という現象が起きます。

大気の断熱膨張

この断熱膨張が起こると、空気のもともと持っていた熱エネルギーが膨張するためのエネルギーに変わって、温度が下がります。

この繰り返しで標高が上がれば上がるほど、空気の温度が下がっていくという訳です。

豆知識!対流圏
地球の大気の中でもこのような気温の変化が起こるのは、様々な気象現象が起こる対流圏(地表から約10~15km)のエリアまでです。これ以上の高度になると成層圏・中間圏・熱圏と呼ばれる大気のエリアに入っていくのですが、これらのエリアではまた別に理由で気温が上がったり下がったりしています。

気圧が下がる理由

次は、標高が上がると気圧が下がる理由についてお話します。

こちらも簡潔にお伝えすると、下記のような理由になります。

気圧が下がる理由

標高が高くなると、その分だけ大気の重さが減るから

このことを、更に深掘りしていきます。

気圧というものがそもそも何から発生しているのかというと、その正体は空気の重さになります。

地球の大気圏は地表からおよそ100kmの高さまでありますが、その100km上まである大気の重さが全て、いま私たちのいる地表にかかっていて気圧というものになっているのです。

そうすると、標高の低いところでは宇宙までにより多くの大気があるのですが、標高が高くなるとその分だけ自分の上にある大気も減ってしまいます。

標高の高さと大気

大気の量が減るということは当然ながら空気の重さが減るということになるので、その減った分だけ気圧が下がるのです。

このような理由で、標高が上がれば上がるほど、空気の気圧は下がって行くのです。

ちなみに、温度の方は対流圏を抜けるとまた上がったり下がったりしますが、気圧の方はずっと下がり続ける一方です。

そして地球の大気圏外になって完全な宇宙空間に入ると、空気が全くないので気圧も0になります。

まとめ

以上で、標高によって気温・気圧の変化が起こる理由についての話を終わります。

まとめると、下記の通りです。

  • 標高が高くなるほど、気温・気圧ともに下がっていく
  • 気温の下がる割合は、1000mにつき6.5℃
  • 気圧の下がる割合は、1000mにつき100Pa(4000mくらいまで)
  • 富士山山頂の気圧は、地表の約3分の2
  • エベレスト山頂の気圧は、地表の約3分の1
  • 気温が下がるのは、断熱膨張という現象が起こるから
  • 気圧が下がるので、空気の量が減ってその重さが軽くなるから

標高が上がるとなぜ気温や気圧が下がるのか、これでスッキリと分かることができました!

これから登山などを行って標高の高いところに行く機会があるときには、なぜ・どのくらい気温や気圧が下がるのかにも注目すると、より楽しくなるかもしれませんね(^^)

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